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川の子ども新聞
川の子ども新聞 VOL.6 Q&A
|Q|しつもん??
浄水場(じょうすいじょう)できれいになった水は、ほんとうにおいしいのですか。
どうしておいしくなるのですか。
|A|こたえ
浄水場できれいになった水は、みんなの家にある水道から出る水のもとなんだ。
水の中のよごれをとりのぞくことで、そのよごれのにおいや味なども消えているから、おいしい水になっているんだよ。
|Q|しつもん??
長野原(ながのはら)の川にサワガニやカエルがいましたが、工事がはじまってからいなくなってしまいました。みんなどこに行ってしまったのですか。
|A|こたえ
工事によって、サワガニやカエルのすんでいる環境(かんきょう)が変わってしまい、どこかへ避難(ひなん)しているんだと思うよ。
工事がおわって、もとのような環境になると、またもどってくると思うよ。
|Q|しつもん??
群馬県は、ダムの問題でいろいろ新聞に書かれていますが、どうしてですか。
|A|こたえ
群馬県は「関東(かんとう)のみずがめ」になっていて、多目的(たもくてき)ダムが8つあるんだ。
多目的ダムとは、治水(ちすい=洪水(こうずい)によるはんらんなどをふせぐこと)と利水(りすい=飲み水や農業用水などに水を利用すること)というはたらきをもつダムのことだ。さらに、群馬県で管理(かんり)するダム、東京電力で管理するダムがあるんだよ。
また、いま、国土交通省(こくどこうつうしょう)では「八ッ場(やんば)ダム」、群馬県では「倉渕(くらぶち)ダム」という新しいダムをつくっているんだ。
こうしたなかで、ダムに反対する人たちなどから、ダムのやくわりや必要性(ひつようせい)などについて、さまざまな声があがっているんだ。
このようなことで、群馬県ではダムのことが話題(わだい)になっているんだ。
|Q|しつもん??
環境(かんきょう)ホルモンが、どんな農薬(のうやく)に入っているとか、川におよぼす影響(えいきょう)、危険性(きけんせい)とかが知りたいです。
|A|こたえ
環境省(かんきょうしょう)がかかげている約70種類の環境ホルモンのうち、約3分の2は農薬がかんけいしているんだ。
環境ホルモンは、からだの中に入ると、もともと生きものがもっているホルモンのようなふるまいをして、そのほんとうのホルモンのはたらきを乱(みだ)したり、じゃましたりするんだ。
それで、からだの発育(はついく)や生殖(せいしょく=子どもをつくること)というはたらきがそこなわれることになるんだ。
環境ホルモンは、たとえば、農薬の除草剤(じょそうざい)、殺虫剤(さっちゅうざい)、殺菌剤(さっきんざい)などにふくまれているといわれているよ。
|Q|しつもん??
世界じゅうで、いちばん水がよごれている国はどこなんですか。
|A|こたえ
世界には、水の衛生面(えいせいめん)で問題をかかえている国がたくさんあるんだ。
そのうち、どの国がいちばん水がよごれているかというのは、調べる基準(きじゅん)がないので、わからないんだ。
この日本でも、みんなのみじかなところで、かなりよごれている川や水路(すいろ)があると思うよ。
|Q|しつもん??
都市にはダムはあるんですか?
|A|こたえ
都市は、おもに平地(へいち)や河川(かせん)の下流にあるため、ダムはないんだ。
でも、大都市の地下に水をためられるようにして、洪水(こうずい)をそこに流すとか、ダムと同じようなはたらきの施設(しせつ)をつくっているところもあるよ。
|Q|しつもん??
pH(ペーハー=酸性(さんせい)のどあいについて調べました。7が中性で、7より小さいほど
酸性が強く、7より大きいほどアルカリ性が強い)のことですが、強い酸性をしめす温泉や、アルカリ度の高い牛乳などに、ぼくたちのからだが対応(たいおう)できることに疑問(ぎもん)をもちました。
それと、川のさかなが生きられなくなるのは、川のpHがどんな状態(じょうたい)のときですか。
|A|こたえ
ほとんどのさかなに影響(えいきょう)がないのは、pH6から8くらいまでで、それより高くても低くても、さかなの生態(せいたい)に影響が出て、産卵(さんらん)やめたり、死んだりしてしまうんだ。
人間のからだも同じで、強い塩酸(えんさん)や硫酸(りゅうさん)、水酸化(すいさんか)ナトリウムなどにふれると、やけどしたようになってしまうんだ。
ちなみに、草津(くさつ)や万座(まんざ)などのpH2くらいの酸性温泉、また、反対にpH9くらいのアルカリ温泉もあるけど、温泉にずーっと入っているわけではないので、問題ないんだ。
でも、飲んだりすると、からだによくないから、気をつけてね。
|Q|しつもん??
ひとくちコラムの「とくに湯川(ゆかわ)は酸性(さんせい)がとても強くて…」というところですが、どうして湯川や谷沢川(やざわがわ)は酸性が強いのですか。
|A|こたえ
湯川は草津温泉(くさつおんせん)の排水(はいすい)がほとんどなんだ。
草津温泉は強い酸性水で、pH(ペーハー=酸性のどあい。7が中性で、それより小さいほど酸性が強い)は2くらいなんだ。
谷沢川や大沢川(おおさわがわ)などは、上流に古い硫黄鉱山(いおうこうざん)のあとがあるんだ。
そこでは、昭和のはじめから40年代まで、硫黄をほっていたんだ。
その鉱山のあとから出る排水が強い酸性のため、川が酸性になっているんだ。
それらの川のみなもとに白根山(しらねさん)という山があるけど、そのまわりの温泉や古い鉱山あとなどから出る排水はすべて強い酸性なんだ。
ちなみに、白根山の「湯釜(ゆがま)」の水は、なんとpH1だそうだ。
|Q|しつもん??
鉄やコンクリートをとかしてしまう川があると書いてありましたが、ほかにもどんな「すごい川」がありますか。
|A|こたえ
たとえば、沖縄県(おきなわけん)の沖縄本島(ほんとう)にある本部町(もとぶまち)には、なんと、しおからい水が流れている川があるんだ。
その名も「塩川(しおかわ)」というんだ。
しおからいといっても、海ではなく、ちゃんと山の上から流れてくるんだよ。
この塩川は、天然記念物(てんねんきねんぶつ)になっているんだ。
ほかにも、鍾乳洞(しょうにゅうどう)の中などで、「地底(ちてい)の川」があるけど、これもフシギだね。
|Q|しつもん??
河川(かせん)を人工物(じんこうぶつ)で創作(そうさく)してしまい、自然体系(しぜんたいけい)とちがう形状(けいじょう)・形態(けいたい)にしてしまう現在の河川改修(かせんかいしゅう)で、今後の自然体系の維持(いじ)はだいじょうぶなのですか。
川の流速(りゅうそく)と水の滞在(たいざい)時間、水の土への浸透(しんとう)もかなりちがってくると思いますが。
|A|こたえ
河川を工事などで人工的にかえてしまうと、自然環境に影響(えいきょう)をあたえてしまうんだ。
そこで、いまでは、生きものや環境(かんきょう)のことを考えた材料や、工法(こうほう=工事のやり方)を工夫して工事しているんだ。
工事は人間の生活を守るために必要だから、人間と自然が共存するために様々な工夫や研究が行なわれてるんだ。
|Q|しつもん??
山にふった雨が、実際(じっさい)にどのくらいの日数をかけて海までたどりつくのか。
|A|こたえ
たとえば、利根川で考えてみようね。
利根川の源流(げんりゅう)から藤原(ふじわら)ダムまでは約60キロメートルあり、毎秒(まいびょう)2メートルのはやさで流れるとすると、およそ8時間かかるね。
藤原(ふじわら)ダムから埼玉県(さいたまけん)の栗橋(くりはし)までは約140キロメートルあり、流れはすこしおそくなるので、およそ30時間かかるね。
栗橋から千葉県(ちばけん)の銚子(ちょうし)までは約130キロメートルあり、毎秒1メートルのはやさで流れるとすると、1.5日かかるね。
これをぜんぶたすと、約3日になるね。
でも、利根川の下流部は、海の潮(しお)のみちひきの影響(えいきょう)で、川がはやく流れたり、まったく流れなかったりする。
だから、山にふった雨が海にたどりつくまでには、3日から1週間くらいかかるのではないかと思うよ。
これは、あくまで試算値(しさんち=ためしに計算したもの)として考えてね。
|Q|しつもん??
品木(しなき)ダムに石灰(せっかい)を沈澱(ちんでん)させるって、すごいですね。
一回入れて、どのくらい長持ちするのですか。
「まいにち川に流しこむ」とありますが、休まずにですか。
一度にたくさん沈澱させておいてとかは、だめなのですか。
|A|こたえ
石灰は、酸性水(さんせいすい)と反応(はんのう)すると中性になってしまうので、中和(ちゅうわ)してしまった(=中性になってしまった)石灰をもう一度使うということはできないんだ。
だから、石灰の投入(とうにゅう)は1分1秒でも休みなくおこなわなければならないんだ。
その機械をとめることは、ぜったいにできないということだね。
そのため、中和した石灰が、どんどん品木ダムにたまるので、たびたびほっては、とりのぞいているんだ。
|Q|しつもん??
地球の温暖化(おんだんか=だんだんあたたかくなること)が言われているけど、温暖化で川の水がなくなっちゃったりしないんですか。
|A|こたえ
地球の温暖化がすすむと、ものすごく雨が多くなるところと、ものすごく雨が少なくなるところが出てくるらしいよ。
それから、広い地域にふる雨がへって、せまい地域に集中(しゅうちゅう)してふる雨が多くなったり、さらに雨のふる時期が今とずれてくるらしいよ。
だから、もしかしたら、水の流れない川も出てくるかもしれないね。
|Q|しつもん??
もし川がきれいだったら、さかながいっぱいいすぎて、こまらないですか。
|A|こたえ
さかながいっぱいいると、それだけ自然がゆたかということになるよね。
だから、さかなの食べるエサもたくさんあるということだね。
でも、そのエサは、そこにすんでいるさかながおなかいっぱいになる分だけないと、エサにありつけなくて、死んでしまうさかなも出てくるよね。
そこで、その川にあるエサの量にあった数のさかながすむようになるんだ。
だから、さかながふえすぎてこまる、ということはないと思うよ。
|Q|しつもん??
洪水(こうずい)は、どうしておきるのですか。
|A|こたえ
少ない雨なら、地面にしみこんだり、木や草の葉についたりして、川へ流れる量は少ないんだ。
だから、川の水が少しふえるくらいだ。
でも、たくさん雨がふると、そのまま川に流れこむ雨水が多くなり、川の水位(すいい=水面の高さ)が上がるとともに、流れもはやくなってくるんだ。
こうして、洪水がおきるんだ。
そうすると、水のいきおいで川岸がけずられてしまったり、ふだん、みんなが暮らしているようなところまで水が来て、浸水被害(しんすいひがい=家や道路などが水びたしになること)がおきたり、橋が流されたりするんだ。
また、川の水がさらに多くなると、堤防(ていぼう)が決壊(けっかい=こわれること)して、人や家が流されて、いのちにもかかわるなど、とても大きな被害(ひがい)が出ることも考えられるんだ。
|Q|しつもん??
河岸段丘(かがんがんきゅう)や扇状地(せんじょうち)ができるのに大量の土砂(どしゃ)が洗掘(せんくつ)されたり、堆積(たいせき)したと思うけど、むかしむかし(古代)は水量(すいりょう)が多かったの?
三角州(さんかくす)や三日月湖(みかづきこ)の「できかた」は、うなずけるけれど、やっぱりふしぎ…。
|A|こたえ
たぶん、むかしむかしも今と同じように雨がふっていたと思うよ。
川は、何万年・何十万年という、長い年月をかけて、ゆっくりゆっくりと、また、台風(たいふう)による急な洪水(こうずい)などもあり、浸食(しんしょく=土や岩をけずること)とはんらんをくりかえしてきたんだ。
さらに、風で砂が移動(いどう)したり、地殻変動(ちかくへんどう=地球の地面の下にある層(そう)が動くこと)や地震(じしん)などによって、地盤(じばん)がもりあがったり、しずんだりして、いまのすがたになったんだ。
自然の力って、ほんとうにすごいね。