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伝統的治水施設の保全と整備

富士川では、河川伝統技術は古来より水防施設として用いられ、釜無川の信玄堤、笛吹川の万力林、富士川の雁堤などがありますが、近年の河川整備では土木工学の進歩・土地利用の進展等に伴いこれらの伝統的治水施設が減少しています。
しかし、川とのふれあいや生物生息空間として川が再認識されているため、環境保全や川の個性を生かせる伝統的治水施設が見直されています。
これからも伝統的治水施設を保全し、かつ現代技術と伝統技術をバランス良く融合して活用することが、河川整備を行っていく上で重要となります。

信玄堤

信玄堤

甲斐の国(山梨県)は四方を高山に囲まれたその地形上の特質から、治水が国を治める者の大きな課題でした。甲斐の治水を大きく前進させたのは、戦国武将武田信玄です。信玄の行った治山治水の工法は「甲州流河除法」と呼ばれ、わが国における河川工学の祖となる優れたものであり、なかでも「信玄堤」は、完成後 400年以上たった現在でも治水機能を果たしている代表的な事業です。

懇談会

■「信玄堤」懇談会
「信玄堤」の歴史的治水施設群の評価を行うとともに、施設を有機的に結び直接かつ 楽しくふれあっていただき、治水施設の歴史的意義を学ぶとともに地域の方々に安らぎの場を提供する大規模治水施設夢プランの検討等のため、平成13年より有識者をはじめ関係者で構成する「信玄堤懇談会」を設置し、検討を重ねています。

雁堤

雁堤

富士川の洪水を安定して流し、川路を安定すると共に氾濫を防御しているのが「雁堤(かりがねづつみ)」です。この堤防を高い所から見ると全体の形が空を翔ぶ雁の姿に似ているところから「雁堤」の名が付けられたと伝えられています。完成から今日まで約330年、昔は加島荘と言われた富士平野を守り、そこに住む人々や財産を守り我が国の主要産業、交通 の大動脈を護ってきてくれました。「雁堤」はあの奇妙な形の中に治水の工夫の極意が秘められているのです。

雁堤2

■「雁堤」懇談会
「雁堤」の大工事が完成してから現在まで、約330年の歳月が経っていますが、今も富士市を護っていることから毎年10月第一土曜日に地域の方々が、古郡氏の偉業などを感謝するため「かりがね祭り」を盛大に行っています。これら歴史的治水施設の意義を学ぶことと、地域住民に安らぎの場を提供する計画を検討するため、懇談会を設置するものです。平成14年より有識者等からなる「雁堤懇談会」を設置し整備構想等を検討しています。

万力林

万力林

「万力林」は、洪水時に笛吹川が氾濫した場合に密生している松の大木によって流木や土砂を防除し、氾濫した洪水を霞堤の開口部から笛吹川の河道に戻します。「万力」の地名は既に南北朝時代の記録にも見えますが、万人の力を合わせて堅固な堤防とする願いを込めて付けられたと伝えられています。万力林は河川公園としても整備され山梨県のシンボルともなっています。

懇談会

■「万力林・近津川づくり」懇談会
山梨市内を流れる笛吹川の整備と活用の推進に際し、山梨市河川活用「ウォ−タ−フロント構想」検討委員会からの提言を受けて、特色ある笛吹川の防災や自然に配慮した整備と活用を推進するため、学識経験者やオブザーバー、地域の団体を迎えながら。「万力林・近津川づくり」懇談会を設置。笛吹川の治水や利水、歴史と自然を基調とした水辺空間の整備と活用の実現を図るために、その推進等について検討を進めていきます。

聖牛

聖牛

富士川流域に残されている甲州流河除法といわれる伝統治水工法のひとつである「聖牛」。富士川で発祥し、その効果が顕著であるため全国の主な急流河川で古くから採用されてきました。三角錐というシンプルな構造ではあるもの堤防を守る「水制工」として施工すると『堤防の根元には土砂を堆積』させて補強し、『川の流れる側の砂は下流へ』流し河積を確保するものです。

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