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かわづくり

  • 伝統的治水施設の保全と整備

    伝統河川工法

    広大な富士平野の護り神

    富士川は富士市岩本と富士市木島の間に至って山間部から平地に顔を出します。この平地が富士平野で昔は加島五千石と言われたところです。富士平野は富士川が造った扇状地なのです。この扇状地は、岩本地先を扇頂として1/230の勾配で駿河湾に向かって傾いており半径は約7km、先端の弧 の長さ約10kmの拡がりを持つ平野です。

    富士川はこの平地の上を流れ、川を挟んで左岸には富士市が右岸には富士市と静岡市清水区があります。ここには総勢で約25万の人間が暮すとともに製紙、アルミ精練等我が国を代表する産業の拠点でもあり、また交通 の要衝でもあります。
    平安時代の昔も交通の要衝であり三代実録の貞観6年(864)の条に蒲原駅(うまや)、柏原駅(うまや)の記述がありますが、現在は我が国の大動脈とも言うべき新幹線、東名高速道、東海道本線、国道1号や水管橋等7つの路線の橋が架かっています。もし、富士川が氾濫するような事があれば地域の市や町へのダメージは勿論ですが国家としても甚大な被害を被ることになります。図一8参照。
    富士川の洪水を安定して流し、川路を安定すると共に氾濫を防御しているのがここに紹介する「雁堤(かりがねづつみ)」です。この堤防を高い所から見ると全体の形が空を翔ぶ雁の姿に似ているところから「雁堤」の名が付けられたと伝えられています。完成から今日まで約330年、昔は加島荘と言われた富士平野を守り、そこに住む人々や財産を守り我が国の主要産業、交通 の大動脈を譲ってきてくれました。「雁堤」はあの奇妙な形の中に治水の工夫の極意が秘められているのです。

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