かわづくり
-
伝統的治水施設の保全と整備
伝統河川工法
甲府盆地を水害から守る信玄堤
富士川の上流は釜無川と呼ばれています。ですから現地の河川案内板には「富士川(釜無川)」と表示してあります。この川は「竜王の鼻」と言われる所で甲府盆地に出ます。盆地に出る直ぐ上流で支川の御勅使川が右から、塩川が左からほぼ同時に合流します。合流した地点における釜無川の計画高水流量 は4000m3/sで計画河床勾配も1/135と大変に急勾配です。
甲府盆地の平地部は、幾つかの河川が造った複合扇状地から成っていますが、その中でも釜無川の造った部分がかなりの面 積を占めています。「竜王の鼻」は釜無川の造った扇状地の要の部分、つまり扇頂部に当たります。扇状地を流れる河川は、全く自然の状態では扇状地面 を奔放に流れます。釜無川も御勅使川も扇状地を流れる河川ですから、この二つの川が合流する旧竜王町や旧八田村の辺りは自然のままだと、洪水の氾濫による水害の危険が非常に高く水害を防止するうえで大変重要なところです。(図一3参照)