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流域情報

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    昭和22年(1947)カスリーン台風

     昭和22年(1947年)9月、トラック島付近に発生したカスリーン台風は、紀伊半島の南海上を北上し、9月15日に北緯32度を超えてから北東に進路を変え、同日夜房総半島南端をかすめて16日には三陸沖へ進みました。台風は上陸せず、日本に接近したときは衰弱していたため強風による被害は少なかったです。しかし、日本付近に停滞していた前線が台風に刺激され、14日から15日にかけて豪雨をもたらし、関東から東北にかけての諸河川が氾濫して各地で洪水となりました。
     関東南部では利根川と荒川の堤防が決壊し、埼玉県東部から東京で多くの家屋が浸水しました。群馬県、栃木県では土石流や河川の氾濫が多発し、両県で1,100名以上の死者・行方不明者が出ました。東北地方では北上川が氾濫して岩手県一関市などで大きな被害が発生しました。

    カスリーン台風から70年関連イベント

    見学会実施

    砂防公開講座 カスリーン台風から70年 「突然発生する土砂災害あなたはその時どうする!!」 を開催しました。

    カスリーン台風70年目の検証委員会では、平成29年11月18日(土)金島ふれあいセンターにおいて、             

           「 突然発生する土砂災害!あなたその時どうする!!」                                         

                                       をテーマに砂防公開講座を開催しました。

    当日は、定員一杯となる、300名の方にご参加頂きありがとうございましたました。




    開 催 日 時】  平成29年11月18日(土)13:30~16:50

    【開 催 場 所】  金島ふれあいセンター(渋川市金井1999)

    【主       催】   カスリーン台風70年目の検証実行委員会

                       講  演  内  容

    【特   別   講   演】               「カスリーン台風や近年の土砂災害による教訓と命を守るための備え」

                                   講 演  東京大学大学院特任教授 片田 敏孝 氏

    【気   象   講   演】               「防災気象情報を活用して土砂災害から身を守る」        

                                   講 演 前橋地方気象台長 田代 誠司 氏              

    【砂 防 公 開 講 座 】        「土砂災害はこう防ぐ」         

                                講 演 利根砂防事務所長 田村 圭司

    【パネルディスカッション】  「カスリーン台風70年目の検証~高まる土砂災害リスクと日頃の備え~」


    カスリーン台風70年年目の検証 砂防公開講座実施報告[PDF:756KB]

    赤城山麓の被害

    旧赤城村沼尾橋付近 旧赤城村沼尾橋付近

     9月9日以来連日の降雨に見舞われていた利根川上流域では、この台風の影響による降雨により大洪水が発生しました。赤城山を中心に5,500か所に及ぶ山地崩壊と、放射状に走るほとんどすべての渓谷で土石流が発生したため、群馬県下の犠牲者は死者592名、行方不明者107名、負傷者1,231名を数えました。

    カスリーン台風の解説パネル及び沼尾川流域の土石流被害写真

    パネルイメージ

    被害状況

     利根川をはじめ、各河川では、至る所で堤防の決壊、崩壊などが発生し、破堤箇所は40か所を超え、冠水面積も2,800km2に達しました。特に利根川は、埼玉県北埼玉郡東村(現大利根町)において、延長400mにわたって決壊し、埼玉県の耕地を荒廃させ、東京都の市街地に浸入しました。これにより、耕地の冠水面積は60,000町歩に達し、千葉県、茨城県への交通連絡は10数日にわたって途絶しました。
     利根川上流の山間部では、赤城山での日雨量440mmをはじめとして豪雨に見舞われ、大災害となりました。赤城山系に水源を持つ利根川、沼尾川、天竜川、赤城白川、粕川などは、至る所で土石流が発生しました。また、片品川流域においても赤城川、根利川、泙川、栗原川が甚大な被害を受けました。
    参考文献:「利根川の直轄砂防50年のあゆみ」、「群馬の砂防」、「上毛新聞」、「気象庁資料」

    死者 592名
    負傷者 1,231名
    行方不明者 107名
    家屋全壊 1,936戸
    家屋半壊 1,948戸
    床上浸水 31,247戸
    床下浸水 39,808戸
    水田流出 5,063hz
    田畑冠水 24,403ha
    橋梁流出 336基
    鉄道被害 178か所
      (群馬県下)
    資料:「群馬県気象災害史(カスリーン台風調査報告)より」

    カスリーン台風から70年被災地をめぐる砂防現地見学会

    被災地をめぐる見学会

     今年は、群馬県内の広域において大規模な土砂災害が発生したカスリーン台風から70年目となります。 近年、気候変動に伴い 記録的な大雨や集中豪雨が頻繁に発生するなど、土砂災害発生のリスクは高まっています。 群馬県内でも平成28年9月に沼田 市柿平地区において土石流が発生し家屋等に被害が発生しました。 カスリーン台風よって被災した場所やその後の復旧状況を 実際に見学していただき、 未曾有の土砂災害 とはどのようなものだったのかを、より具体的に理解していただくために現地見学 会を開催しました。

    【日   時】  平成29年8月20日(日)

    【見学場所】  赤城山西麓沼尾川流域(渋川市赤城町)

    カスリーン台風から70年被災地をめぐる砂防現地見学会[PDF:940KB]

    昭和22年カスリーン台風の進路及び雨量分布

    • 台風の進路
    • 雨量分布
    • 旧赤城村佛念付近 旧赤城村佛念付近
    • 旧赤城村深山地区 旧赤城村深山地区

    カスリーン台風を契機に沼尾川・天竜川に整備した砂防施設

    カスリーン台風による被害を契機として利根川水系砂防事務所は沼尾川・天竜川流域に多くの砂防施設を建設しました。

    カスリーン台風を契機に沼尾川・天竜川に整備した砂防施設[PDF:2986KB]

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