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馬堀海岸地区環境整備

馬堀海岸地区環境整備

神奈川県横須賀市の馬堀海岸地区では、横須賀市において文化行政のシンボルプロジェクトとなる「うみかぜの路」(海と緑の10,000メートルプロムナード)事業として計画的に整備されています。

馬堀海岸地区環境整備について

整備について

 神奈川県横須賀市の馬堀海岸地区では、横須賀市において文化行政のシンボルプロジェクトとなる「うみかぜの路」(海と緑の10,000メートルプロムナード)事業として計画的に整備されています。

 また、国土交通省では地域の個性を活かした親しみが持てる美しい街並みを形成し、都市の顔として誇れる道路空間を創造することを目的とした「緑陰道路プロジェクト」に取り組んでおり、横須賀市から応募された国道16号横須賀市馬堀海岸地区が平成15年5月7日にモデル地区指定を受けました。
 あわせて、当地区では平成7・8年の大型台風による浸水被害を契機とした「横須賀港馬堀海岸地区高潮対策事業」が実施されました。
 馬堀海岸地区の環境整備は、これらの事業が連携と調和を図りながら、地域のみなさまに親しんでいただける潤いの空間の創造を目的としています。
 具体的には、対象区間に整備する街路や護岸の樹木に関して樹種や配置などを決定し、整備にあたっては学識経験者・行政・住民代表からなる検討会を設置して、計画づくりの初期段階から市民のみなさまに情報を提供したうえで、広く意見を聞いて反映させていく取り組み【PI(パブリック・インボルブメント)手法】を導入しました。

緑陰道路プロジェクト

街路樹

 国土交通省では、良好な景観を形成し、温室効果ガスの吸収など大気環境への負荷を軽減するため、良質な緑の道路空間を構築する道路緑化を積極的に進めています。
 枝葉を極力剪定せず、自然のあるがままの状態で枝葉を広げた街路樹を有する緑陰道路は、地域の方々にうるおいを与え、地域の個性を活かした親しみが持てる都市の顔として誇れる空間です。
 緑陰道路プロジェクトは、このような空間を創造するために、街路樹を剪定しないことについて地域の方々のご理解いただき、積極的に受け入れていただける地区において、市民の協力をいただきながら、街路樹を剪定しない緑陰道路を管理することについて試行的に取り組んでいこうとするものです。

全国の緑陰道路プロジェクトモデル地区 全国の緑陰道路プロジェクトモデル地区

馬堀海岸高潮対策事業

 馬堀海岸は、平成7・8年の台風による高潮のため、背後の住宅地や国道が大きな被害を受けました。そこで高潮の脅威から住民の生命と財産を守るため、高潮対策事業が実施され、平成18年3月に完成しました。

■ 護岸の特長 ■
 台風時の高潮や高波に対して防護効果が高く、さらに周辺環境との調和に優れた新しいタイプの護岸です。

■ 防護効果 ■
 割石を階段状に積み上げて、高波を徐々に減衰させます。石積み護岸を越えた水は、堤体内を通り海に排水(透水効果)させることで、生活圏への水の侵入を防ぎます。また、消波機能の向上のため、高さではなく幅で防護する護岸構造を採用しました。

高潮対策

馬堀海岸高潮対策事業の経緯

 横須賀港馬堀海岸の護岸は昭和44年に築造されましたが、長年の波浪による老朽化に加え、平成7・8年の台風による高潮のため、背後の住宅地に住む約2,700世帯、8,000余名の人々が大きな被害を受けました。護岸背後は平坦な地形のうえ、国道16号をはさんだ海岸沿いには住宅市街地があることから、高波や高潮から多くの市民の生活と財産を守るため、平成12年2月から「馬堀海岸高潮対策事業」が実施され、平成18年3月に完成しました。

国道16号緑陰道路プロジェクトの経緯

 国土交通省が、良質な道路空間を創造する試みとして試行的に実施した「緑陰道路プロジェクト」に横須賀市が応募したところ、平成15年5月、国道16号横須賀市馬堀海岸地区がプロジェクトのモデル地区に指定されました。同年8月には「馬堀海岸地区緑陰道路プロジェクト」の整備計画が策定され、平成16年9月には横浜国道事務所が工事に着手、そして平成18年10月に「国道16号緑陰道路プロジェクト」は完了しました。

平成15年 4月 横須賀市がモデル地区へ応募
      5月 モデル地区(第2次)に指定される
              8月 「馬堀海岸地区環境整備検討会」(第1回)
            10月 オープンハウス開設
            11月 「馬堀海岸地区環境整備検討会」(第2回)
            12月 馬堀海岸の緑づくりに関するアンケート調査実施
平成16年 1月 「馬堀海岸地区環境整備検討会」(第3回)→樹種・配置の決定
              5月 工事説明会
              9月 緑陰道路工事着手
             10月 馬堀海岸一部解放および国道16号緑陰道路着工式
平成18年10月 国道16号馬堀海岸地区緑陰道路完成

馬堀海岸の街路樹

ヤシ

 国土交通省が全国に募集を行った『緑陰道路プロジェクト』に、神奈川県内で唯一横須賀市が応募し、平成15年5月に、馬堀海岸地区の国道16号が『緑陰道路プロジェクトモデル地区』に指定されました。
 これは、並木の枝葉などをできるだけ剪定せずに自然の状態で管理しようとするもので、平成15年6月までに全国で25地区が指定されています。馬堀海岸地区で対象となった並木の種類は主にカナリーヤシとワシントンヤシでした。

カナリーヤシとは

学名:Phoenix canariensis。ヤシ科ナツメヤシ(フェニックス)属。学名が表す通り「カナリア諸島原産のヤシ」で、一般的には属名の「フェニックス」の名でも呼ばれています。日本では8~10m、熱帯地方では20~30mにも達する高木らしいどっしりとした幹と、幹の上部から四方の先端部に生い茂る200枚ほどの豊かな葉が南国情緒を演出しています。比較的寒さに強いため、欧米の温暖な都市、日本でも関東以西の温暖地域で街路樹や庭木として利用されており、対潮性の高さにも優れています。

「フェニックスの由来」

「フェニックス」という属名は、アジア、アフリカの熱帯・亜熱帯に原産するおよそ17種を含むナツメヤシ属のラテン名で、本来はナツメヤシを表す古代ギリシア語です。その実の赤紫色が、フェニキア人(Phoinix)の用いた染料の色に似ていたことに由来するという説のほか、力強く葉を広げた姿から、伝説の不死鳥フェニックスを連想したとする説もあります。

ワシントンヤシとは
学名:Washingtonia filifera H.Wendl.。ヤシ科ワシントンヤシ属。オキナヤシやオキナヤシモドキの総称。北米カリフォルニア南部からメキシコ付近の原産で、日本では関東地方南部から沖縄地方の暖地で広く植栽されており、高さは5~10m、熱帯地方では20m以上に達することもあります。その実は甘みがあって食用になり、葉は深く裂けた掌状で緑の淵に白糸が目立ちます。常緑樹のため葉は樹上に長く残るのが特徴です。耐寒性に優れており、氷点下5度までは耐えられるといわれています。

「さまざまな名前で呼ばれるワシントンヤシ」
ワシントンヤシには「シラガヤシ(白髪椰子)」や「オキナヤシ(翁椰子)」とも呼ばれており、その由来は、葉の淵から垂れ下がっている白糸が、老人の白髪のように見えるところからきているといわれています。また、たくさんの枯葉が樹上に残っている様がペチコート(スカートのすべりをよくし、形を整えるために用いるアンダースカート)を思わせることから「ペチコートヤシ」と呼ばれることもあるようです。

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