霞ヶ浦の紹介
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自然百科事典
水生生物
水生植物(浮葉植物)
ヒシ/ヒシ科(Trapa bispinosa)
全国の湖沼に広く分布する1年生の浮葉植物。茎は、湖底から長く伸びて枝分かれし、水面 に放射状に葉を浮かべます。葉は広い菱形で、径3~6センチメートル、表面につやをもちます。葉柄はふくらみ、浮き袋の役目をします。7~10月に白い4弁の小花を開き、水面 下に両側に鋭い刺がある実をつけます。この実の形がひしゃげた三角形であることから、この名がつけられました。
アサザ/ミツガシワ科(Nymphoides peltata)
北海道を除いた各地の池や沼に生える、多年草の浮葉植物。霞ヶ浦では、かつては数多くみられましたが、現在では貴重種になっています。湖底の泥中を、地下茎が横にはい、長い茎が水面 に伸びます。葉は、卵形または円形で、水面に浮かびます。6~9月頃、対生する葉のわきに数本の花茎をだし、黄色の5弁花を開きます。
オニバス/スイレン科(Euryale ferox)
一年生の大型の浮葉植物で、本州、四国、九州に分布。生活力が弱く、水の汚濁に弱いため、絶滅寸前種となっています。浮葉は、ほぼ円形で、直径数で10センチメートルから1.5メートル。表面 は、緑色でしわがあり、裏面は濃い茶色。葉脈ぶが隆起し、その上に大きな鋭い刺があります。8~9月頃、わずかに水面 にできる柄の頂きに、径4センチメートルほどの濃い紫色の花を咲かせます。
トチカガミ/トチカガミ科(Hydrocharis dubia)
本州、四国、九州の平地の湖沼に分布する多年草の浮葉植物。霞ヶ浦では抽水植物群落に囲まれた波の静かな場所や、舟だまりに見ることができる程度。ほふく茎が水面 に広がり、節から、ひげ根、葉、花柄をだします。葉の裏側には、海面状の気泡があって膨らみ、水面 に浮かびます。花弁は、3個で、長さ1~1.5センチメートル。花は、雌雄に分かれています。