霞ヶ浦の紹介
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自然百科事典
水生生物
水生植物(抽水植物)
ヨシ/イネ科(Phragmites communis)
一名、アシ。高山地帯を除き、強酸性湖にも、汽水湖にも育成し、日本全国どこにでも見られる多年草です。地中に走出枝が縦横に走り出し、茎を密生して大群落をつくります。霞ヶ浦においても、抽水植物の優先種です。8~10月に穂をだし花をつけます。成長した茎は、「すだれ」「すのこ」「よしず」等に編まれました。水中の汚濁物を取り除く働きがあることから、植生浄化施設や植生回復浄化施設等においても利用されています。
マコモ/イネ科(Zizania latifolia)
全国に分布する多年草の抽出植物。霞ヶ浦では、湖周全域に分布しますが、やや泥深いところを好む傾向があります。太い地下茎が湖底を横にはい、節から太い1~2メートルの茎を立てます。8~10月頃花穂をだし開花します。マコモ群落のなかには、その茎や葉を重ねてつくったカイツブリの浮き巣が見られます。
ヒメガマ/ガマ科(typha angustifolia)
日本全国の水辺に広く分布する多年生の抽水植物。霞ヶ浦には、ヒメガマの他、コガマ、ガマ等の種類も見受けられますが、ヒメガマの数が圧倒的です。大型の抽水植物のなかでは、最も沖側に生えます。7~8月頃、茎の先端に花穂をつけますが、上が雄花穂、下が雌花穂と2段に分かれます。十分成長した葉を乾かし、がまござを織ったり、茎ではすだれをつくることもあります。
コウホネ/スイレン科(Nupphar japonicum)
全国に分布する多年草の水草。砂質または礫まじりの底質の水深の浅いところに生えます。霞ヶ浦では、極めてまれで、新利根川河口に小群落が見られるぐらいです。地中の太い地下茎は、直径数センチメートルに達し、白く白骨を思わせるため、この名(川骨)がつきまいた。茎の先からでた葉には、抽水葉と沈水葉があります。6~9月に花柄が抽出し、その頂きに黄色の花をつけます。
ミクリ/ミクリ科(Sparganium erectum)
浅い水中に生える多年草の抽水植物。貴重種。水底の土中に地下茎があり、茎は70~80センチメートルぐらいの大きさになります。根生し、茎より高くなります。6~8月に花穂を生じ、枝分かれしたあと、各枝の上部に雄花、下部に白い毛玉 のような雌花がつきます。この花が、クリの実に見えることから、この名前がつきました。