霞ヶ浦の紹介
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自然百科事典
底生生物
底生生物(貝類)
オオタニシ/タニシ科(Cipangopaludina japonica)
殻の高さが6~7センチメートルになる巻貝。幼貝の殻の色は暗緑色ですが、清澄すると漆黒になります。体は、灰黒色。胎生で、夏の頃、仔貝を生み出します。霞ヶ浦全域に生息しますが、他のタニシよりやや深みに多くいます。肉は、嗜好品的食用として喜ばれ、貝殻は滑らかで光沢があり、人形細工などにも利用されます。
マルタニシ/タニシ科(Cipangopaludina malleata)
殻に丸い膨らみがあり、オオタニシよりは小型ですが、タニシのなかでは大型の部類に属します。湖岸、水路、水田等に生息。胎生で、6~7月に仔貝を生み出して繁殖します。食用にされるほか、貝殻は滑らかで光沢があるので人形細工等に利用されます。
マシジミ/シジミ科(Corbicula leana)
小型の二枚貝で、湖岸や流入河川の砂地に分布。霞ヶ浦では、全域に生息します。汽水域に分布するヤマトシジミと比べると、殻の高さが低く、光沢がにぶい。また殻の表面 に小さくて、黒い斑模様があります。幼貝は緑黄色で成長すると黒くなります。雌雄同体で、卵は受精後母貝のえら内の保育のうで育成、仔貝となって母体を離れます。冬の季節は、寒シジミとして喜ばれます。
イシガイ/イシガイ科(Unio douglasiae nipponense)
殻の長さが5~6センチメートルになる小型の二枚貝。貝殻は、固く黒褐色で内側は真珠光沢があります。湖岸の砂または、砂泥地に多く生息。産卵は、夏に行われます。この貝の属するイシガイ科の仲間は、雌貝が自分のえらの中に卵を産みつけ、えら全体が保育のうとなります。その中で孵化した幼生(グロキデウム)は、やがて水中に放出され、魚類のひれやえら等に寄生して生活します。変態して、稚貝になると水底に落ちて成長します。
カラスガイ/イシガイ科(Cristaria plicata)
大型の二枚貝。殻の表面は黒色、幼貝は黄色で緑色の帯があります。霞ヶ浦では、湖全域の泥質地に生息、夏、冬2回の産卵期にグロキデウム(幼生)を放出して繁殖します。餌は、植物性プランクトン。貝中から時折天然真珠がとれることもあり、貝殻は貝ボタンの原料や細工物に利用されます。
ヤマトシジミ/シジミ科(Corbicula japonica)
塩分のある水域の砂、または、砂泥地に生息します。かつては、常陸利根川水域に多産しましたが、水門閉鎖で塩分が少なくなったため生息の範囲が狭められてきました。マシジミより殻高が高く、殻表の輪脈は弱いが光沢が強い。幼貝は、黄褐色で成長すると黒色を帯びてきます。雌雄異体で卵生。産卵期は、夏。藻類、原生動物、輪虫類等の小型プランクトンを食べます。