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「東海道中膝栗毛」って、どんな本なのですか? |
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「東海道中膝栗毛」は江戸時代後期の戯作者、十返舎一九の代表作で、享和2年(1802)から文化6年(1809)にかけて出版(初編から八編)された滑稽本です。
主人公である弥次郎兵衛と喜多八の二人が伊勢詣でを思い立ち、数々の失敗や滑稽を繰り返しながら、東海道を江戸から京、大坂旅する様子を、狂言や小咄を交えながら、当時の口語で描き出したものです。
上は大名から下は庶民まで大きな人気を呼び、のち20年にわたり続編(金比羅詣でや木曽の旅)まで出されました。これは、当時多くの庶民や武士が東海道や伊勢詣での旅を経験し、この本にその思い出を重ね合わせ、あるいは旅へあこがれる広範囲な読者層の共感を呼んだという意味で、道中記の国民文学といえるでしょう。
ずっこけ二人組の弥次さん、喜多さんの名前は、その後道化者の代名詞ともなって親しまれるようになりましたが、「東海道中膝栗毛」には好色な話題が多いことは意外に知られていないようです。
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図版:「東海道中膝栗毛」 |
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