|
 |
広重はどうやって東海道を描いたのですか? |
 |
「東海道五拾三次」の55枚の浮世絵には、春夏秋冬の季節感や時刻(戸塚宿の夕暮れ)、雨(大磯宿の雨)や霧や風など自然の変化が巧みに表現されています。
広重が「東海道五拾三次」を描いたのは、幕府の年中行事「八朔御馬献上」に参加したことが大きな力になったことはいうまでもありません。しかし東海道を往復したのは夏ごろですから、東海道の四季をすべて写生できたはずはありません。また時刻や自然の変化もかならずしもこの絵のようではなかったでしょう。つまりこれらの季節感や情緒あふれる風物は、日本人の感受性にもとづいて広重が創造した風景画だといえそうです。
|
東海道五拾三次 大磯「虎ヶ雨」 初代広重 保永堂版 静岡県立美術館蔵 |
 |
|
へ戻る
へ進む
|
|