流域情報
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神流川流域
平成11年(1999)熱帯低気圧豪雨
平成11年(1999年)8月12日九州の南海上で発生した熱帯低気圧は、本州南海上を北東進し、14日9時には関東南岸に至って進路を北西に変え、16日午後日本海へ抜けました。この熱帯低気圧の通過は、関東地方に大雨をもたらし、群馬県内では神流川支川の野栗沢流域において山腹崩壊による土流が発生、所ノ沢および奥名郷沢付近で氾濫が起こりました。
熱帯低気圧が東海沖に達した13日頃から、南海上から暖かく湿った空気が入り大気の状態が不安定になり、所々で時間あたり30mmを越える激しい雨となりました。この状態は、熱帯低気圧が日本海へ去る16日まで続きました。万場町では12日19時の時間雨量73mmを記録しました。
群馬県内では、この大雨により高崎市(旧榛名町)下里見で発生した崖崩れにより1人が亡くなり3人が負傷する人的被害が発生するなど、各地で被害が生じました。避難勧告及び自主避難により、県内で合計111世帯、320人が避難しました。被害状況
被害状況
被害状況
野栗沢川での降雨状況
野栗沢川沿いの斜面崩壊および野栗沢川上流部での山腹崩壊による土砂流出によって、野栗沢川に多量の土砂が流入した結果、所ノ沢および奥名郷沢付近で氾濫が起こりました。被害は、所ノ沢で人家全壊(流出)2戸、一部損壊1戸、床上浸水1戸でした。奥名郷沢では、流路一杯に土砂が堆積したものの、奥名郷沢川上流での崩壊が少なかったことなどが幸いして、床下浸水程度でした。また、野栗沢川本川でも、河道が土砂で埋塞されたため、災害前には河床との比高差が3~4m程度あった道路上を洪水が流れたため、村道が被害を受けました。
熱帯低気圧豪雨での被害状況
死者 1名 負傷者 4名 家屋全壊 4戸 家屋半壊 7戸 床上浸水 49戸 床下浸水 560戸 (群馬県下) 台風の進路と雨量分布