関東地方の年平均降水量は1500mmであり、日本の年平均降水量1700mmの約90%に当たりますが、関東地方には約4100万人の人々が生活しており、一人当たりの使える水の量※は1300m/年・人と全国平均5000m/年・人の26%しかありません。
※使える水の量= 使える水の量とは、人が最大限利用可能な量であり、降水量から蒸発散によって失われる量を引いたものに面積を乗じた値。地下に浸透したり、川を流れ去ったりする量も含んだ値。水資源賦存量とも呼ばれる。
昭和36年に制定された水資源開発促進法では、産業の開発又は発展、都市人口の増加に伴い用水を必要とする地域について、広域的な用水対策を緊急に実施する必要がある場合に、その地域に対する用水の供給を確保するために必要な水系を水資源開発水系として指定し、この指定水系に係わる水系(フルプラン水系)について、水資源開発基本計画(フルプラン)を定めることとしています。
水資源開発の進捗と用水使用量の伸びの鈍化により、水系全体でみると、需要と供給のバランスはとれていますが、利水安全度※が低く渇水が起きやすい状況です。これを踏まえた上で、水資源開発における対応すべき課題として以下の事項が挙げられます。
戦後、首都圏は経済発展や人口集中により、水需要が急増してきました。こういった背景の中で、首都圏の水の多くを供給する利根川・荒川では、水を安定的に供給する安全度(利水安全度)を低くせざるを得ませんでした。このため、今日の利根川・荒川水系の利水安全度(1/5)は、他地域の利水安全度と比較して低い目標水準となっており、加えて、安定的に供給できる量以上に取水しているため、川からの水供給が不安定となっています。
水資源を確保するために、下記のように既存施設の有効活用が図られています。
関東圏や近畿圏等の都市域では、都市用水使用量のうち、河川水が豊富にある時のみ取水が可能な不安定取水の占める割合が他の地域と比較すると大きく、安定取水のためにも水資源開発が必要となっています。
日本の降水量は梅雨期や台風期に集中しており、河川が急流であることから、降った雨が一気に流れ出すために、大量の雨が降れば瞬時に洪水となり、逆に日照りが続くと渇水となる特徴があります。また、河川水が少ない時には取水できない「不安定取水」に頼っている部分が多く(特に都市部)、それだけ河川流量の変動に影響されやすく、渇水や頻発しやすい状況となっています。
関東地方の年平均降水量は1500mmであり、日本の年平均降水量1700mmの約90%に当たるが、関東地方には約4100万人の多くの人々が生活しており、一人当たりの使える水の量※は1300m/年・人と全国平均5,000m/年・人の26%しかなく、渇水が起こりやすい地域となっている。
※使える水の量= 使える水の量とは、人が最大限利用可能な量であり、降水量から蒸発散によって失われる量を引いたものに面積を乗じた値。地下に浸透したり、川を流れ去ったりする量も含んだ値。水資源賦存量とも呼ばれる。