事務所の取り組み
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首都圏外郭放水路
施設概要
排水機場
地下から洪水を排水する「ポンプ」「操作室」「排水樋管」
庄和排水機場
庄和排水機場には、ふたつの役割があります。
ひとつは、地下水路のトンネルを通って流れてきた水を、調圧水槽から巨大ポンプ・排水樋管を通して江戸川に排水すること。
もうひとつは、操作室で各流入施設の操作や集中管理を行い、水の流れを安全に制御することです。
人間の体に例えるとポンプは血液を送る心臓、操作室は頭脳の役割を果たしています。排水機場はまさに首都圏外郭放水路の機能を集約している施設といえるでしょう。ポンプ設備
庄和排水機場の地下には1秒間に50立方メートルの排水量を誇る巨大ポンプが4台設置されています。
4台のポンプをフル稼働させると、排水能力は1秒間に200立方メートル、つまり小学校の25mプール1杯分の水を排水することができます。
汲み上げる高さは14mと、国内でも最大です。原動機
動力となるのは、航空機用に開発されたガスタービンを改造したもので、出力は14,000馬力。ポンプ駆動用としてはこれも国内最大級です。ガスタービンが燃料を燃やして強い風力を作り出します。
そしてこの風力で「インペラ」という固いステンレスの羽根車を高速回転させることによって水にエネルギーが与えられ、排水作業が行われる仕組みとなっています。操作室
首都圏外郭放水路の頭脳といえる操作室では、気象情報から各河川の状態まで全ての情報が集められ、その動きを監視し制御しています。
首都圏外郭放水路操作のメインとなる監視操作パネルは、流入施設のゲート開閉やポンプ施設の起動・停止といった作業をコンピュータで制御しています。
また、ここに約30個おかれた監視モニターは、ゲート開閉、ポンプ等の設備を運転する際に、周辺に危険なものがないか、操作員以外の人がいないか、遠隔からチェックしています。CCTVカメラからは、調圧水槽の水を江戸川へ排水する際、付近にいる人に危害が及ばないか、監視しています。排水樋管
排水樋管とは、首都圏外郭放水路から洪水を排水する施設のことです。
ポンプによって汲み上げられた洪水が6つある樋管を通って、江戸川へと排水されます。
樋管ひとつの大きさは、横5.4m、縦4.2m。JR山手線の車両がらくらく収まる大きさです。
また、排水樋管には水を江戸川に排水するだけでなく、江戸川からの逆流を防ぐという働きもあります。