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本陣と脇本陣はどう違うのでしょうか? |
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本陣は天皇のおつかいである勅使や、公家、大名、公用で旅をする幕府の役人などが宿泊するための施設です。本陣だけに宿泊できないときに、予備にあてた宿舎が脇本陣です。
本陣と脇本陣は一般の旅籠屋と違い、特権として門、玄関、書院を設けることができました。
本陣は宿泊施設の中でもっとも権威のあるもので、今で言えば高級旅館といったところでしょうが、特定の身分の人だけが宿泊できたというのはあくまで原則であって、時として一般旅行者が宿泊することもありました。しかしこれも頻繁に宿泊させるというわけにはいかなかったようで、経営的には苦しかったようです。
また脇本陣には一般旅行者も宿泊することもできましたが、本陣より格が一段下がるものでした。
格式と体面を重んじる大名の宿泊が一宿に重なる場合、前もって宿泊が重ならないよう大名側も宿場側も調整しますが、川留(かわどめ)などで重なったときには、本陣に入っている大名の身分が後から来た大名より低い場合、本陣を明け渡すこともありました。
また勅使に対しては、将軍の名代や大名でも本陣を明け渡して脇本陣に移らなければなりませんでした。
さらに本陣や脇本陣に不足が生じたときなどは、宿内の寺院が本陣の代用とされることもありました。
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図版:平塚宿・加藤本陣間取図 |
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