首都圏の主要水系である利根川、荒川水系では、昭和30年から上流の山間部にダムが造られてきました。また、中、下流部には調節池や導水路、河口堰などが建設されています。
これらの施設を連携させたネットワーク運用により、水の有効利用に努めるとともに、新たな水資源開発施設の整備を積極的に進めています。
また、人工降雨・降雪などの新たな取り組みも行っています。
渇水時に被害を抑えるためには、利用者間の取水量の調整、水の融通、緊急的な応援給水などが必要となります。
たとえば、利根川水系では、利根川水系渇水対策連絡協議会(国土交通省、東京都、千葉県、埼玉県、茨城県、群馬県、栃木県、水資源開発公団で構成)が昭和45年に設置され、渇水時における円滑な水利用の調整などの話し合いを行っています。
水利用の増加や下水道の普及により下水処理水も増加していますが、首都圏では年間1,000万m3以上の処理水が発生しています。こうした下水処理水を、水洗トイレ用水や環境用水などとして再利用する事業が進められています。
また、産業排水の再利用や降雨を積極的に活用しようという試みも各所で行われています。
新宿副都心ビルの水洗トイレ用水に……………2,559m3/日
………東京都落合処理場の下水処理水
JR新幹線の洗浄用水に……………………………206m3/日
………東京都芝浦処理場の下水処理水
し尿処理場の希釈用水に…………………………4,293m3/日
………船橋市西浦処理場の下水処理水
野火止用水などの環境用水に……………………26,383m3/日
………東京都多摩川上流処理場の下水処理水
幕張副都心地区の雑用水に………………………1,923m3/日
………花見川下水処理場の下水処理水
新国技館……水洗トイレ、冷却水として……………20.9m3/日
東京ドーム……水洗トイレとして…………………186.3m3/日
平成8年度の「渇水に関する実態調査」では、普段の水の使い方について約7割の人が
ムダ使いに気をつけています。
しかし、残りの3割の人はあまり気にしないで水を使っていると答えています。今後は
こうした人も含めてみんなが節水に協力していくことが大切です。