荒川を知ろう
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荒川の自然
荒川の中・下流域でよく見られる自然環境のタイプ
落葉樹林
どこで見られる、どう守る
エノキやムクノキなど、高木が集まる落葉樹林は、荒川水系のほぼ全域にあり、水路沿いのやや湿ったところから、やや小高い自然堤防上まで続いています。かつて河川敷に形成された集落は、屋敷林として落葉樹林を育ててきました。現在残るまとまった落葉樹林は、自然堤防などの少し高くなった地形を残して守ることが大切です。
植物とのかかわり
やや湿ったところではオニグルミが、それよりも乾燥しているところではエノキやクヌギ、ムクノキなどが育っています。自然堤防上によく見られるタイプとして、背の高いエノキとムクノキのなかに、中・低木としてシロダモやアオキなどが育っています。林の下はアズマネザサに覆われているところも多くありますが、やや明るい場所には、ヒカゲイノコズチ、ミズヒキなどの草や、アケビやキヅタなどのつる性の植物も育っています。
動物とのかかわり
落葉樹林は多くの鳥類の生活の場です。エノキやムクノキの種子はカワラヒワなどの小鳥類のエサになり、まとまった林は多くの鳥類のねぐらや子育ての場になります。ヒバカリやヤマカカシなどの爬虫類、アズマヒキガエルなどの両生類なども暮らし、ネアカヨシヤンマなどのトンボ類の休息場としても利用され、クヌギの樹液には昆虫たちが集まります。また、エノキはオオムラサキ、コダマラチョウ、ヒオドシチョウなどの幼虫がその葉を食べる木としても重要です。