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    渇水はなぜ起こる

    渇水に関する用語と基礎知識

    水を貯めるには……

    水資源開発施設
    水を貯める施設にはダム、調節池、堰、流況調整河川、導水路などがあり、これらを総称して水資源開発施設といいます。 

    ダム
    川の水を貯めて、川を流れる水量を調節するための施設をダムといいます。ダムの役割には洪水調節や各種用水の確保・水力発電などがあります。

    多目的ダム
    洪水調節や水の確保・水力発電など複数の目的を持つダムを多目的ダムといいます。大きなダムはほとんどが多目的のために建設され、こうしたダムには、矢木沢、奈良俣、川治、下久保、草木、宮ヶ瀬ダムなどがあります。

    利水ダム
    ダムの役割のうち、生活用や工業用、農業用、発電用などの水の確保の目的だけのために造られたダムのことです。

    治水ダム
    洪水を防ぐため下流に流す水量を調節したり、河川維持用の水の確保を目的とするダムのことです。

    調節池
    広大な河川敷を有する河川の中流部などで川の周囲に堤防や水門を作り、水を貯める施設です。これには渡良瀬貯水池や荒川調節池などがあります。


    1つには、水を確保するため、川の下流部(河口)において堰を設け、川の水を貯める堰があり、これには利根川河口堰などがあります。また、取水だけを目的とする堰もあり、これには、利根大堰、秋ヶ瀬取水堰などがあります。

    流況調整河川
    水を確保するために2つ以上の川を新たに水路でつなぎ2つの川の水量をお互いに融通出来るようにした施設です。また、きたない川にきれいな川の水を取水し放流することもあります。こうした施設には北千葉導水路、霞ケ浦導水路などがあります。

    導水路
    2つの川を水路でつなぎ上流のダムなどで貯められた水や浄化用水を導水する水路です。こうした施設には武蔵水路などがあります。

    ダム群連携
    2つのダムを連絡水路で連結することにより、既存ダムを有効に活用することができます。現在鬼怒川上流にある五十里ダム、川治ダムにおいて工事中です。

    ダム貯水率
    ダム貯水率は、ダムに貯めることができる貯水容量に対して、現在の貯水量の比率で示されます。しかし、多目的ダムでは洪水調節と利水の2つの目的に対応するため、夏期と冬期の貯水容量が異なっています。夏期(洪水期)には洪水に備えてダムの水位を下げる必要があり、この貯水用量に対する現在の貯水量の比率が夏期のダム貯水率となります。このように洪水調節のためにあらかじめ減らしておく貯水容量を洪水調節容量といい、その時のダムの水位を夏期制限水位といいます。

    渇水の発生状況と頻度
    渇水への取り組み

    水の利用……

    水の利用目的
    ダムなどで蓄えられた水はおもに生活用や工業用、農業用、発電用に利用されますが、その他にも河川維持用水として利用されています。

    河川維持用水
    川に棲む生物や植物の保護や、漁業・景観・水質の維持、舟運、塩水の遡上防止などのために最低限必要な水量があります。この水を河川維持用水といいます。

    環境用水
    最近では、公園やビルの周りに新たなせせらぎや噴水を造ったりすることが多くなっています。このような環境を良くするための目的で使われる水を環境用水といいます。

    水利権
    生活、工業、農業、発電などのために河川から水を取水することができる権利を水利権といいます。この水利権を持っている人を利水者といいます。

    利水者
    利水者には国、地方自治体、水資源開発公団、水利組合、電力会社、一般企業などがあります。

    暫定水利権
    本来、新たな取水を行うためには、ダム建設などによって必要な水量を確保しなければなりません(こうした水利権を安定水利権といいます)。しかし、急激に水の需要が増加した場合など、ダムがまだ完成していなくても河川の水量が豊富な時期に限って取水を認めることがあります。こうした水利権を暫定水利権といいます。首都圏ではこうした暫定水利権が多く、こうした暫定取水権に多く頼った取水を不安定取水といいます。

    渇水時には……

    渇水調整
    渇水時に被害をできるだけ少なくするため、利水者間で川からの取水量や一般家庭への給水量を調整することをさします。具体的には取水制限や給水制限というような方法があります。

    取水制限
    川からの取水量を制限することです。例えば取水制限10%とは、普段の取水量から10%だけ取水量を減らすことです。

    給水制限
    水道水の給水量を制限することです。例えば給水制限10%とは普段、一般の家庭や事業所に給水している量から10%だけ給水量を減らすことです。方法としては、減圧給水と時間給水があります。

    減圧給水
    水道水を給水する圧力を下げて水の出る量を少なくすることです。高台などでは、水がにごったり水の出が悪くなったりすることがあります。

    時間給水
    普段は24時間毎日水道水は給水されていますが、その給水する時間を制限することです。渇水時には水道局の広報に注意しましょう。

    番水
    農業用水の使用量を減らす1つの方法で、渇水時に川からの取水量が制限された場合、あらかじめ、かんがいする水田や畑の順番、時間を決めて、水を配ることです。

    水の有効利用……

    下水処理水の再利用
    家庭や事業所で使われた汚水は、下水処理場できれいにし、川や海に戻されますが、こうした水を再利用できるように、さらに浄化し、水洗トイレや洗浄・冷房などの工業用として、また公園のせせらぎなどとして再利用することです。

    雨水の有効利用
    空から降った雨は、道路の側溝や下水を通して、川や海に流れていきますが、この雨を一時的に溜めて利用することです。新国技館や東京ドームでは水洗トイレや冷却用の水として利用されています。また、一般の家庭でも散水などに利用されています。

    渇水への取り組み

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