関東道路メンテナンスセンターについて
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関東道路メンテナンスセンターの紹介
地方公共団体等が管理する道路橋梁などの老朽化が進行
全国約72万橋ある橋梁のうち、7割以上となる約51万橋が市町村道にあり、建設後50年を経過した橋梁の割合は、2029年には52%まで増加します。緊急的に整備された箇所や水中部等の立地環境の厳しい箇所など、老朽化による変状が顕在化しているものもあり、市町村等の地方公共団体が管理する橋梁では、近年通行規制等が増加しています。
これから先も皆様に道路を安全・安心に利用いただくために、橋梁などに対する維持管理や補修など道路メンテナンスを適切に行っていくことが重要となります。建築後50年を経過した橋梁の割合
地方公共団体管理橋梁の通行規制等の推移(2m以上)
橋梁やトンネル等の道路構造物について、適切に維持管理していくために定期点検が5年に一度実施されており、平成26年度から平成30年度までに1巡目が終了し、令和元年度から2巡目が始まりました。
全道路管理者が管理する橋梁の1巡目の定期点検結果は、早期に措置を講ずべき状態(判定区分III)が10%、緊急に措置を講ずべき状態(判定区分IV)が0.1%となっています。
また、トンネルの1巡目の定期点検結果は、判定区分IIIが41%、判定区分IVが1%となっています。判定区分(橋梁)
判定区分(トンネル)
地方公共団体に向けた道路メンテナンスの技術支援を展開
判定区分IIIやIVの道路構造物については、速やかに補修や修繕を行う必要がありますが、地方公共団体では、道路構造物を補修修繕するための予算不足や、職員等の人材不足、知識経験の未定着などの多くの課題を抱えており、補修や修繕が進んでいない状況が見受けられます。
そこで、関東道路メンテナンスセンターでは、地方公共団体に対して道路メンテナンスを推進するための様々な技術支援を実施しています。各国道事務所による道路メンテナンスも支援
■橋梁診断
橋梁に係る維持管理を適切に行うために関東地方整備局管内の各国道事務所が実施している定期点検において、健全性の診断、措置方針の参考となる対策区分の判定(I~IV)を行っています。橋梁の健全性診断の様子
健全性4(緊急措置段階)の損傷例
■直轄構造物の技術支援
関東地方整備局管内の各国道事務所が管理する橋梁等の道路構造物に不具合が見られた場合に、要請に応じて現地調査や技術的助言など支援をしています。
高度な技術が必要な構造物の補修設計のほか、トンネルについても、点検・診断、補修結果の収集整理、損傷・劣化要因分析等を行い、点検・診断の品質向上を図っています。直轄管理橋梁への技術支援における現地調査の様子
直轄管理橋梁への技術支援におけるBIM/CIMを活用した設計事例
■路面下空洞調査
路面の陥没による道路利用者への被害を防ぐため、直轄国道上において、地中レーダー技術により道路下の空洞を探査する路面下空洞調査及び調査結果のとりまとめを実施しています。路面下空洞調査の流れ
路面下空洞調査により発見された空洞の事例