大規模災害発生時に、国土地理院が作成している地図上に、震度情報や被災地の空中写真、被害情報などを、ほぼリアルタイムに表示することが可能で、被害状況を迅速に把握し、共有することができます。
近年、増加する集中豪雨や局所的な大雨による水害や土砂災害等に対して、施設管理や防災活動等に役立てるために、従来のCバンドレーダ雨量計を高性能化し、XバンドMPレーダ雨量計と組み合せました。この結果、XRAIN(エックスレイン)の配信エリアの広域化、欠測が生じにくい安定した観測が可能となっています。
【Cバンドレーダ】
最小観測面積:1kmメッシュ
配信周期:5分
観測から配信に要する時間:約10分
【XRAIN】
最小観測面積:250mメッシュ
配信周期:1分
観測から配信に要する時間:1~2分
道路と河川管理用の公共情報基盤(光ファイバ等)を活用し、道路・河川の関係事務所を災害時の防災情報ハブ(情報の収集・整備・配信)事務所として位置付け、自治体や放送・通信メディアとの連携により、公共情報通信基盤の21世紀型IT防災システムとしての機能を実証することを目的に、整備を実施しています。
■多重無線通信
地震、台風などの異常気象による河川・道路の災害支援の情報収集や設備の管理に使われてきました。伝送容量は光ファイバに及ばないものの回線網が無線であるため、大規模地震等に対する信頼性が高く、ファイバが遮断されたとしても防災情報の伝達手段を確立します。
■光ファイバネットワーク
政府のe-japan施策に沿って整備した公共施設管理用光ファイバネットワークが骨格となって構成されています。高度情報化社会において光ファイバは音声・画像・データなど多岐に亘る様々な情報を大量・高速伝送するために不可欠であり、防災面においても災害映像伝送等その威力を発揮します。
■衛星通信
衛星通信は静止軌道上の衛星(JCSAT)を使用し、固定型地球局と可搬型地球局間で回線を構成するので、固定型地球局が堅固であれば、災害の影響を受けることなく、いつでも柔軟に回線を設定することが可能です。災害現場の情報収集や基幹局間回線のバックアップといった役割を担っています。
■移動通信
デジタル陸上移動通信システム(K-λ)は、平常時における河川、道路の連絡用として、また、大規模災害時における通信規制時等においても、現場―事務所間等の情報伝達に必要となる通信手段として確保され、災害現場における情報収集、復旧作業の指揮連絡用として使用されるものです。
■ヘリサットシステム
ヘリサットシステムは、災害現場上空から、空撮によるテレビカメラ映像情報を現地の災害対策班及び災害対策本部(地方整備局等)へ伝送するシステムです。衛星回線を介することにより山岳部による遮蔽エリアや伝送不能エリアが少なく、鮮明な映像が伝送可能です。