河川の管理
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協力、協働の取組
リバーシビックマネージャー
活動の手引き
はじめに
河川は、多様な生物を育み、地域固有の生態系を支える自然公物であるとともに、「地域共有の公共財産」であり、河川管理者のみならず地域住民自らが流域における活動の中で、守り育てていくものです。
平成12年7月14日の河川審議会答申「河川における市民団体との連携方策のあり方について」では、
1.今後とるべき具体的方策として(抜粋)
(1)新たな連携形態の導入
(2)連携を支える仕組みの導入
2. 具体的な連携内容の例
●直接的な河川管理に関する行為を行うもの
・ 市民に対する啓発活動、市民のニーズ把握
・ 河川環境等のきめ細かな監視、モニタリング
・ ビオトープ、植栽等の計画、整備、管理
●助言、コーディネート等により間接的に関わるもの
・ 行政に対する提案、助言
・ 広域、広範なネットワークの形成
・ 河川を活用した活動の実施及びそのコーディネート
等、河川管理において、様々な観点から市民団体との連携を模索・提案しています。
こうした背景を受け、京浜河川事務所では、住民との協働により河川の適正な維持管理を強力に推進すべく、リバーシビックマネージャー(川の市民管理者)制度を平成12年10月に創設しました。
本手引き書は、そのリバーシビックマネージャーの活動のサポート用として、参考書的に平成13年6月に策定したものです。その後、むずかしい書き方を若干わかりやすく修正するなど、適切な手引き書に順次改訂しています。第1章 制度の目的
国土交通省関東地方整備局京浜河川事務所では、多摩川、鶴見川、相模川についての自然・環境、福祉、防災、スポーツ、歴史・文化、国際協力など、様々な分野の専門知識を有する住民の方、及び河川に深く関心を持つ住民の方のボランティア活動の支援を得て、河川管理者と住民の協働作業による河川管理を行い、河川の適正な維持管理を推進することを目的に、リバーシビックマネージャー(川の市民管理者)制度を平成12年度に創設しました。
(以降リバーシビックマネージャーを「RCM」と記載します。)第2章 制度の運用方針
-1活動の基本方針
RCMは、自発的に自由に創意工夫して、活動し、「RCM会議(全体会議)及びRCM分科会」には可能な範囲で参加することとします。
各RCMが、これまで身につけられた見識で、自発的に自由に創意工夫し活動を行っていただきます。
なお、京浜河川事務所としては、将来に渡っては、RCMの活動状況をみながら、全体会議や分科会等を通し、さらなる河川管理への参画が可能となるよう、様々な整備を行っていきたいと考えております。
-2活動の内容
RCMの活動内容は、次のような16項目を基本とします。なお、16項目に当てはまらなくても、河川管理に役立つものであれば結構です。また、年に1回以上開催される「全体会議または分科会」では、RCMに選定された方が、行政側の河川管理の情報、RCMが現場での対応で得られた知見、あるいは当制度への改善点等、さらに、RCM間の情報交換等を行います。
●主たる活動内容
(1)河川の整備、利用、環境に関すること
(2)河川環境上支障となること
(3)河川の適正な利用上支障となること
(4)ゴミ等の投棄、流れている水の異常などに関すること
(5)地域住民、河川利用者への河川愛護思想の普及・啓発に関すること
(6)河川工事・河川管理(許可工事も含む)に関すること
(7)河川環境調査・研究に関すること
(8)河川環境の保全や河川利用に関すること
(9)身障者が河川を利用するにあたっての施設整備等に関すること
(10)沿川のまちづくりと一体となった河川の整備に関すること
(11)地域防災の観点から見た河川の整備、利用等に関すること
(12)河川の持つ歴史的・文化的価値の保全の観点から見た河川の整備、利用等に関すること
(13)国際協力の観点から見た河川の整備、利用等に関すること
(14)河川における運動施設利用者及び健康維持・増進のための利用者から見た河川の整備、利用等に関すること
(15)レスキュー活動(動植物を含む)に関すること
(16)洪水時における河川の状況等に関すること
(17)その他必要な事項
-3活動範囲
RCMの活動範囲は、多摩川水系、鶴見川水系、相模川水系の国土交通省が直轄管理する区間を原則とします。第3章 RCMへの支援等
-1河川管理者からの情報提供
RCMの活動にあたって、必要となる様々な最新情報の入手方法を明示します。
行政側からの情報の入手方法として以下のような項目については、京浜河川事務所のホームページにアクセスすることをおすすめします。また、京浜河川事務所では、要請が無い場合でも、メールアドレス等登録されているRCMの方々には、雨量情報や河川の水位情報などを送ることが出来ます。RCMの方だけに優先的に差し上げるということではありません。
-2河川管理者からの支援
河川管理者は可能な範囲で、RCMの活動に対し、情報以外に様々な支援体制を整備します。
・河川管理者は、前述した情報の提供以外に、必要に応じて、可能な限り、RCMの活動に要する物品等(例えば、地図や航空写真等)を供与します。
-3河川管理者への連絡、助言等
河川管理者への連絡は、京浜河川事務所占用調整課を窓口とします。緊急の場合は最寄りの各出張所でも受けます。
連絡系統は、内容により次のように整理されます。
A.普段の報告等については、京浜河川事務所占用調整課に連絡し、その取扱いについては関係出張所と相談して事務所から回答いたします。特別な報告や、直ぐに回答できないような重要な事項についても、同様とします。
B.占用されている施設の連絡や、直接国土交通省が管理していない構造物等に関連する事項についての連絡は、出張所を経由して確認し、事務所から回答いたします。
また、連絡方法については、電話・郵送・ファックス・メールのいずれの場合でも良いものとします。第4章 現場での対応方針
RCMのみなさんが日常の河川利用をするなかで、気付いたこと、感じたこと、閃いたことを報告していただくことを基本とします。
不法な河川利用や、河川環境の悪化につながるような行為が確認された場合は、すみやかに河川管理者に連絡して下さい。
RCMの活動中に、現地で、河川利用者や地域住民に対し、河川環境の保全や河川利用のための助言および、注意が可能だと判断された場合でも、無理をして行う必要ありません。
不法行為者に対しての注意はトラブルになりやすく、危険を伴うことも起こり得ますので、河川管理者への通報を基本としてください。なお、万が一、水難事故等に遭遇した場合、通報を第一にしてください。対応策を講じる場合でも、自己の安全を確保してください。
河川管理者への報告以外は、基本的にはRCMの責務ではありません。