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河川維持管理計画

維持管理の目標、河川の状態把握の手法、具体的な維持管理対策を定めた計画です。

 河川維持管理に係る計画としては、河川整備計画があり、この中で河川特性や地域の実情を踏まえ、河川の維持の目的、種類及びその施行箇所に関する基本的な事項が定められているところです。河川維持管理計画は、河川整備計画に沿って計画的に維持管理を行うため、河川維持管理の具体的な内容を定めるものです。
 なお、管内の相模川においては、河川整備計画が未策定となっているため、多摩川・鶴見川を参考に、これまでの河川維持管理内容を踏まえ定めるものです。

 河川維持管理計画で定める事項は、国土交通省河川砂防技術基準維持管理編(河川編)(平成23年5月)で示されており、「河川維持管理計画には、河川の区間区分、河川や地域の特性に応じた河川維持管理の目標、河川の状態把握の手法、頻度等、及び具体的な維持管理対策を定めるものとする。」となっています。
 具体的には、以下の項目が一般的とされており、これを参考に管内河川の河川維持管理計画を策定しています。

 (1)河川の概要
 (2)河川の区間区分
 (3)河川維持管理上留意すべき事項
 (4)河川維持管理目標
 (5)河川の状態把握
 (6)具体的な維持管理対策
 (7)地域連携等
 (8)効率化・改善に向けた取り組み

 なお、河川維持管理の具体的実施内容は、河川維持管理計画に記載されていますが、これを踏まえた各年度の河川維持管理の実施内容については、各年度の維持修繕の予算に係る手続きの中で具体化することとしています。

・多摩川河川維持管理計画(国土交通大臣管理区間編)[PDF:13224KB]
・鶴見川河川維持管理計画(国土交通大臣管理区間編)[PDF:8356KB]
・相模川河川維持管理計画(国土交通大臣管理区間編)[PDF:8807KB]

河川の維持管理について

 河川維持管理の目的は、洪水等に対する安全性の確保、安定した水利用の確保、河川環境の保全、適正な河川の利用の促進等多岐にわたります。
 築堤、掘削、構造物改築等の河川改修工事が完成しても、その維持管理が十分行われなければ、年月を経るにしたがって、堤防には法面に適さない植生が繁茂し、河道内では洗掘や土砂堆積が発生し、河川管理施設も劣化や老朽化が進行し、河川管理上支障となる事態が発生し、洪水を安全に流下させることが困難となります。このため、普段から、河道、堤防やその他の河川管理施設を良好な状態に保全し、その本来の機能が発揮されるように、計画的に維持管理をする必要があります。

 具体的には河川巡視及び出水期前等に行う点検により、堤防、護岸、樋門・水門、床止め・堰、排水機場等の状態把握に努め、異常を発見した際には補修等の必要な措置を講じて災害の発生を未然に防止しなければなりません。また、施設についてはあらかじめ操作規則、操作要領等を定め、適正に操作を行います。
 河川の中には、橋梁やグラウンドなど許可を受けた施設が設置されています。これらの施設は、設置者が点検し、必要な対策を行うことが原則となりますが、河川管理者はその設置に当たり、適切な維持管理が行われるよう審査するとともに、設置後の指導・監督等を必要に応じて適切に行います。
 河川は公共用物であることから、スポーツ・レクリエーション活動、舟運、街づくり等の多様な要請に応えることができるよう、必要に応じてこれら相互の調整を図りつつ、適正に維持管理していく必要があります。一方、河川敷地の不法占用や不法投棄を発見した場合には、厳正に対処していきます。
 生物の良好な生息・生育・繁殖環境の保全、良好な景観の維持・形成、人と河川との豊かなふれあい活動の場の維持・形成、良好な水質の保全といったニーズに応えるべく、維持管理を行います。また、流水の正常な機能が維持されるよう、河川の状態把握等に努めていきます。
 水防のための対策や水質事故対策等にあたって適切な対応を行います。
 河川と地域との歴史に学びつつ、その地域の自然風土、生活環境、産業経済、社会文化等の特性を踏まえ、地域社会と一体となって河川を維持管理することが重要です。そのため、市区町村、NPO、市民団体等との連携等を積極的に図るなど「協働の維持管理」を推進します。

河川維持管理計画と河川整備計画について

 河川にかかる計画には、河川整備の基本となるべき方針に関する事項(河川整備基本方針)と具体的な河川整備に関する事項(河川整備計画)があります。このうち、河川整備計画は、具体的な川づくりが明らかになるよう、「20年から30年後の河川整備の目標を明確にする」、「個別事業を含む具体的な河川の整備の内容を明らかにする」ため、以下の内容を定める事としています。

1.河川整備計画の目標に関する事項
2.河川整備の実施に関する事項
 1)河川工事の目的、種類及び施行の場所並びに当該河川工事の施行により設置される河川管理施設の機能の概要
 2)河川の維持の目的、種類及び施行の場所

 河川維持管理計画は、この河川整備計画での維持管理の実施内容を踏まえ、
・維持管理の目標、河川の状態把握の頻度や時期等を具体的に定める
・計画対象期間は概ね5年間

としていますが、河川、河川管理施設等の状況の変化、河川維持管理の実績、社会経済情勢の変化等に応じて適宜見直しを行います。
 なお、河川整備計画は、河川の維持を含めた河川整備の全体像を示すものであり、河川巡視、点検による状態把握、維持管理対策を長期間にわたり繰り返し、それらの一連の作業の中で得られた知見を分析・評価して、河川維持管理計画あるいは実施内容に反映していくというPDCAサイクルの体系の中で得られた知見を河川整備計画にフィードバックし、必要に応じて河川整備計画の内容を点検し変更することも検討していきます。

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