国土交通省 関東地方整備局 利根川上流河川事務所
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事業概要

  • 関連用語

    一般

    水文学/BOD(BiochemicalOxygenDemand) /COD(ChemicalOxygenDemand) /環境基準/火山/河川の3作用/岩石の種類/代表的な火成岩の種類/荒廃地/地形区分/地質年代/破砕帯/流域/ローム層/天明の大飢饉/火砕流/関東郡代/占領下における台風/高瀬舟/治水3法

    水文学

    地球上の水の状態や変化を水の循環の立場から研究する学問。河川・湖沼・地下水などの陸上の水が主な研究対象であり、水資源の開発・保全にはその知識が不可欠です。
    水は、この地球に誕生してから約45億年、常に循環を繰り返しています。海から海水が蒸発して雲となり、これが大気中で冷やされ降雨となります。陸に降った雨は川を通してまた海に戻ります。この一連の過程を水文学的な水循環と呼び、これを取り扱う学問の分野を水文学と呼んでいます。河川の分野で特に問題になるのは、降った雨がどのように川に流れ出るのかの現象(流出現象)を解明することです。

    BOD(BiochemicalOxygenDemand)

    生物化学的酸素要求量。海や川の汚染度を表す指標の1つです。微生物が一定時間内(普通、摂氏20度で5日間)に水中の有機物を酸化し、分解させて浄化するのに必要な酸素の量をmg/リットルで表したもの。1リットルの水の中に1ミリグラムの酸素が必要なときが1mg/リットル。BODの数値が大きいほど水中の有機物の量が多く、水が汚れていることを示します。

    COD(ChemicalOxygenDemand)

    化学的酸素要求量。単位はmg/リットル。水中の還元性物質を過マンガン酸ナトリウムなどの酸化剤によって酸化するときに、消費される酸素量を水1リットル当たりのミリグラム数で表します。有機物量の目安とされ、水の汚染度が進むほど数値は高くなります。

    環境基準

    環境基準法第16条に基づき、人の健康を保護し、生活環境を良好に保つうえで、維持されることが望ましいとして政府が定めた基準。基準は、大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染および騒音について定められています。

    火山

    地下の深層にある溶解したマグマが、地殻の割れ目や弱い部分に沿って地表に噴出してできた山。
    形態によって活火山・休火山・死火山に分類されます。

    河川の3作用

    河川による浸食・運搬・堆積の諸作用を総称して河川の3作用といいます。

    1.浸食作用
    流水・氷河・波浪などの力により、陸地や地表面が掘り削られる作用。

    2.運搬作用
    流水・氷河などの自然の力が岩石片や土砂などを運搬する作用で、水や大気の流れによって引き起こされるのが普通です。

    3.堆積作用
    土砂などが流水・氷河などの力で運ばれて、水底や地表に集積する作用。

    岩石の種類

    岩石はその成因上、地熱が熔けて地中で固まってできた火成岩[花崗岩・安山岩など]、土砂が風雨・水・氷河などの力で運ばれて、水底にたまってできた堆積岩(水成岩)、地中の高温・高圧により火成岩や水成岩の組織が変化してできた変成岩[大理石など]の3種類に分けられます。

    代表的な火成岩の種類

    1.砂岩(さがん・しゃがん)
    堆積岩の1つ。砂の粒が水中に沈み、固まってできた岩石。
    2.石灰岩
    堆積岩の1つ。炭酸カルシウムから成る、動物の殻や骨格などが水底に積もってできた岩石。
    3.粘板岩
    堆積岩の1つ。砂の粒が水中に沈み、固まってできた岩石。

    荒廃地

    山地を荒廃させる原因には、自然的な要因と人為的な要因があります。流水による浸食作用や、自然の風化作用、集中豪雨などの異常気象による崩壊は前者ですが、過度な伐採や採掘、足尾鉱毒による煙害、観光や宅地造成など開発による崩壊は後者に属します。このような種々の要因によって、山地の土壌は悪化して樹木が育たず、荒廃地となって、ついには土砂災害を引き起こす原因になります。

    地形区分

    特定の地域における、地形の分布状態を知るために行う区分のことで、地表を地形的な特徴によって分けた各地域を地形区といいます。山地・丘陵・台地・平野など大地形の特徴で区分する地形区のほかに、陸地の骨組みである地質構造による構造区分などがあります。

    1.山地
    幾つかの山から成る広い地域、山の多い土地をさします。また、山麓は山のふもと、山のすそをさします。

    2.丘陵地
    なだらかな低い山地。平地よりいくらか高く、起伏がある地帯。日本では古い洪積台地にみられます。

    3.台地
    平野や盆地の中で、周囲よりも一段と高くなっている広くて平らな土地。

    4.沖積平野
    流水による土砂などの堆積作用によって川筋に生じた平野。

    5.洪積台地
    洪積世に沈積して生じた地層で構成する台地。武蔵野台地・下総台地などがこれに属します。

    地質年代

    地質時代の区分 地質時代の区分

    有史以前の地質時代の時間を、現在より何年前であるかを示したものです。今から何年前かで表す放射年代と、地層・岩石の新旧の重なりかたや化石で区分した相対年代との2種類があります。相対年代は、古い方から先カンブリア時代・古生代・中生代・新生代に大別され、代はさらに紀・世に分かれます。

    1.古生層
    古生代(今から約5億7千万年前から2億5千万年前までの時代)に堆積した地層。

    2.中生層
    中生代(今から約2億5千万年前から6千5百万年前)に形成した地層。

    3.洪積層
    1万~100万年位前。現在の火山ができ、人類が初めて出現した時期)に沈積して生じた地層。

    4.沖積層
    沖積世(完新世に同じ。更新世に続く第四期末期の約1万年間で、現在までの時代)に生成した地層。地質学上、最新の地層。水を含んだやわらかい粘土・泥炭などが堆積し、多くの沖積平野が形成された時代であるために、この名が生まれました。

    破砕帯

    地殻変動により、破砕あるいは圧砕された岩石が帯状に集まっている層。この層には、軟弱な岩石、粘土を含んでいることが多く、地すべりなどを起こす要因となります。

    流域

    流域 流域

    ある河川に降水が流入する全域をその河川の流域といい、流域の互いに接する境を分水界(流域界)といいます。
    流域内を流れる河川のうち、最も規模の大きい河川を本川(幹川、本流)といい、本川に合流する河川を支川といい、本川から分派する河川を派川といいます。流域名は本川名を冠して呼ばれます。
    なお、山間部等では分水界がはっきりしていますが、平地ではその境界がはっきりとせず、また水路や下水道等により人為的に流域が変化する場合もあります。

    ローム層

    火山灰が風化した赤茶色の土。酸化鉄に富み、そのままでは耕作に適しません。洪積台地の関東ローム層が代表的で、10mに達する層をなしています。

    天明の大飢饉

    天明2年(1782)~7年(1787)年に起こった大飢饉。特に天明3年、浅間山噴火の影響で起きた冷害による奥羽地方の飢饉は多数の餓死者を出し、このため各地に一揆・打ちこわしが起き、幕府や諸藩の支配は危機に陥りました。

    火砕流

    火山活動により放出された粉体が一団となり、地表面を高速で流下する現象。

    関東郡代

    江戸幕府の職名で、関東にある幕府の領地を支配しました。寛政4年(1792)まで伊奈氏が世襲し、以後は勘定奉行・代官が分治しました。

    占領下における台風

    終戦直後の日本では、台風の名前はアメリカが発表した名称をそのまま国内で通称として利用していました。アメリカでは、毎年発生した大型の台風に、人名をアルファベット順に付けていました。カスリーン台風は、昭和22年で11番目の代表的な台風だったので、頭文字の「K」のカスリーンと名付けられました。

    代表的な台風

    1.カスリーン台風
    昭和22年(1947)9月、関東地方を襲ったカスリーン台風は、記録的な量の大雨を降らせ、各地に未曾有の洪水被害をもたらしました参照(カスリーン台風)。

    2.アイオン台風
    昭和23年(1948)9月に発生したアイオン台風は、大型の非常に強い台風となって、16日、東海道沖を経て房総半島に上陸。その後三陸沖を東に進みました。この台風は時期や経路がカスリーン台風に似ており、中心気圧や風速はアイオン台風の方が大きく、降雨継続時間と降雨量はカスリーン台風の方が大きいという特徴がありました。
    破堤等はありませんでしたが、利根川本川筋および渡良瀬川で床上浸水829戸、床下浸水1,523戸という洪水被害がありました。
    前年のカスリーン台風の経験から、気象および出水に関する通報連絡の整備のため、中央気象台との直通電話の開設、地方警察本部との連携による超短波無線電話設置等を行い、初めてラジオを通じて利根川の洪水予報が行われました。

    3.キティ台風
    昭和24年(1949)8月に発生したキティ台風は、中心気圧950mb、暴風雨半径700kmと大型の強い台風になり、31日夜、小田原に上陸。前橋を通過して、柏崎から日本海へ抜けました。この台風は、通過時から通過後にかけて関東地方の西部および北部山岳地帯に豪雨をもたらし、鬼怒川上流域では600mmを越す豪雨となり、最高水位はカスリーン台風、アイオン台風を上回りました。
    東京湾では、強い南風と満潮が重なり高潮が発生、江戸川河口付近では海岸堤防と旧江戸川堤防が破堤し、大きな被害を受けました。比較的大きな出水となった渡良瀬川では、未改修部分から氾濫し、鬼怒川も下流部を中心に浸水しました。

    高瀬舟

    広く各地の河川で用いられた、舳先が高く上がり、底が平らな運送船。川をさかのぼる時、順風でない時は曳綱で人が曳きました。

    治水3法

    河川法、砂防法、森林法の3つを合わせて、治水3法と称しています。

    1.河川法
    わが国の河川制度は、明治29年(1896)に旧河川法が制定されて以来、幾たびかの改正を経て現在にいたっています。
    旧河川法は、河川工事に対する国の直轄工事施工と国庫補助方式を確立し、国が河川行政をまとめて一本化するために、行財政の両面にわたる制度を整備したものです。
    この法律は高水工事の施工による治水対策を主な目的としており、これによって直轄河川事業の主体は、低水工事から高水工事へと大きく変わっていきました。
    昭和39年(1964)に制定された新河川法は、水系一貫管理制度の導入など、治水、利水の両面から体系的な制度の整備が図られ、今日の河川行政の規範としての役割を担ってきました(II―39河川法改正参照)。
    また、平成9年の改正では、治水、利水に環境を加え、水質・生態系の保全・水と緑の景観・河川空間のアメニティといった国民のニーズに応えるべく、「河川環境の整備と保全」を位置付けました。さらに、地域との連携を密にし、地域の意見を反映する手続を導入し、新しい河川制度の構築によって、治水・利水・環境の総合的な河川整備の推進が図られます。

    2.砂防法
    明治30年(1897)に制定された砂防法は、河川法とともに治水を目的としたものです。
    その法律体系も河川法とほぼ同様であり、大規模な工事などは国が直轄として行うことを定めています。砂防法は、林地に戻すことが難しいはげ山などからの流出土砂を止めて治水効果を高めようとするものです。当時から若干の法改正はありましたが、そのまま今日に及んでいます。

    3.森林法
    森林法は、砂防法と同じく明治30年に制定されました。森林法は、荒れた林地を再び有用林に回復させるために山地を保護することを目的としており、森林を管理するための営林監督に重点が置かれていました。しかし、木材の需要が増大するにつれて、森林開発が必要となり、明治40年(1907)に森林法は全面的に改正され、林地の保全と経営を一体化して対処できるよう、森林は木材生産の場として位置付けられました。
    また、森林を育てる一環として、荒廃地などの修復事業を積極的に実施しました。

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