吾妻川・利根川
■中和がもたらした恩恵
酸性の水に悩まされてきた下流の地域へ中和事業がもたらした恩恵は様々だ。例えば橋。それまでは木などを用いていた地域でも、コンクリートが溶かされる心配がなくなったため、コンクリートを使って橋を作ることができるようになったのだ。また、農家の人たちは、河川水を農業用水として使えるようになった。そして、湯川では発電もできるようになったのだ。もちろん、人間以外の生き物への恵みも大きい。魚も棲めない「死の川」と呼ばれた吾妻川にも、魚が棲むようになった。
中和の恵みはその近辺ばかりでなく、ずっとずっと下流の人々にも届いている。