砂防と災害
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災害の前兆と避難のしかた
災害の前兆現象や避難の方法などを知ることが重要です。
昭和34年災害を体験した方々の、当時の状況から
発災前からの豪雨は、主に山側ではバケツをひっくり返したほどの雨で、また、下流側でも触ると痛いほどの雨でした。大武川や小武川では(大雨の時にはそれ以前からありましたが)夜のうちから石のぶつかり合う音がゴロゴロしている状況でした。
大武川沿いでは、夜のうち、石のぶつかり合う音、不気味な音、ゴットン、ゴットン腹までしびれるような音がしており、土砂降りの中、スズメがやけに鳴いていたともいわれます。
朝方7時前の柳沢地区(流失の約40分前)では、もの凄い雨の中凄い臭い、泥の匂いがし、堤防からすごい音がガラガラいうような状況でした。
さらに7時20分頃に下流の大武川橋付近では(流失の約40分前)、水防活動をしていた人たちが、大武川の水位が引くのを確認すると同時に、おかしな音、ゴーっという音、聞いたことがない音が聞こえたり、上流の山の麓が、雲のように暗くなっているのを見たという人もいます。
また、土石流がくる直前には水の濁りと同時に、山の土の凄い匂いがしたといいます。
釜無川沿いでも、明け方桐沢橋付近で水がものすごく減るのを消防団が確認しています。
7時頃の穴山橋付近では堤防の下で(流れてくる石が堤防にあたって)ゴトゴト音がし、8時頃には屋外でアーン、アーンと山が鳴く音がしたといいます。
武田橋付近では、流失直前の10時頃に堤防がゴトゴト地響きし始め、水がうなって嫌な音で流れてくるのを堤防上にいた人たちが確認しています。
また、土石流が来る直前には、水防活動をしていた人達が、泥臭い匂いがしたといいます。
以上のことからまとめると、次のようになります。前兆現象
・バケツをひっくり返したような雨であった。
・触ると痛いほどの雨であった。
・事前に、不気味な石のぶつかり合うゴロゴロ、ゴットンゴットンという腹にひびく音がしていた。
・直前では、大武川の水位が引くとともに、ゴーっという聞いた事のない音と臭い泥の臭いがした。
・水がものすごく減った。
・堤防の下で流れてきた石があたってゴトゴトという音がした。
・山が鳴くような音がした。
・橋や堤防の流失直前には、泥臭い匂いともに堤防が地響きしはじめ、水がうなるような音をたててきた。
土砂災害から身を守るためには、災害の前兆現象や避難の方法などを知ることが重要です。日頃から注意して、早めの避難を心がけてください。土石流の前兆
がけ崩れの前兆
地すべりの前兆
避難のしかた
雨に注意しましょう。
土石流の多くは雨が引き金になって起こります。長雨や大雨で危険だと思ったら、早めに退避しましょう。1時間に20ミリ以上、または降り始めから100ミリ以上の降雨量になったら十分な注意が必要です。
逃げ方を覚えましょう。
土石流はスピードが速いため、流れを背にして逃げたのでは追いつかれてしまいます。土砂の流れる方向に対して直角に逃げるようにしましょう。
避難場所を決めておきましょう。
日頃から家族全員で避難場所や避難場所までの道順を決めておきましょう。災害が起きた時、家族全員が一緒にいるとは限りません。そんな時でも、あらかじめ避難場所を決めておけば安心です。