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かわづくり

  • 渡良瀬川の歴史

    流路の移り変わり(東遷)

    渡良瀬川の昔の流路

    渡良瀬川は、かつて太日川(ふといかわ)と呼ばれ、1000年前は、現在のルートとは違うところを流れていました。太日川は、足利市の対岸から矢場川を通り、古河市の西部で合ノ川という川に連なり、現在の江戸川の川筋を通って、東京湾に直接注いでいたのです。
    江戸時代、徳川家康は、埼玉平野の開発、舟運による東北地方との経済交流、江戸を守るための外堀を作るといった目的で、利根川の川筋を渡良瀬川、毛野川(鬼怒川)、常陸利根川と合流させながら、東の方へと変えていく工事を伊那忠次に命じました。これを東遷(とうせん)といい、伊那家は三代をかけてこの大事業に取り組みました。
    1594(文禄3)年頃には、利根川の水を放水するために、逆川と島川が設けられ、1621(元和7)年頃には、利根川と太日川を直結させる工事が行われました。これにより太日川(渡良瀬川)は、利根川最大の支流となったのです。

    流路の移り変わり(藤岡放水路 )

    昭和初年頃の渡良瀬川下流藤岡放水路と旧流

    利根川の東遷によって、渡良瀬川は、高瀬舟による舟運の主要な路線として、位置づけられるようになりました。舟による貿易が盛んに行われるようになり、織物産業地として桐生、足利が発展することにもなりました。
    しかし一方で、この東遷によって、逆に大きな被害を受ける地域も現れました。
    栃木県の谷中村(現・栃木市藤岡町)は、利根川と渡良瀬川の合流部に位置していたため、洪水時には、利根川に水が押さえられ、逆流し、頻繁に被害を受けるようになったのです。
    洪水の原因となる、曲がりくねった川筋を緩やかにするため、明治43年から昭和元年にかけて、栃木市藤岡町の台地を横切る藤岡放水路の工事が行われました。
    これによって、渡良瀬川は、直接、赤麻沼に落ちることになったのです。

    カスリーン台風

    カスリーン台風
    浸水域

    マリアナ諸島付近で発生したカスリーン台風は、昭和22年9月15日の午後9時頃、房総半島の南東をかすめていきました。 すでに9月8日頃から、台風による前線の刺激が活発になっていて、13日には、関東地方の各地で本格的な降雨が始まっていました。13日から15日にかけての降雨量は、渡良瀬川の足尾地区で380ミリ、秩父では、なんと12時間で610ミリという記録的な豪雨となりました。利根川の水位は、9月15日の午後から、急激に上昇し始め、その日の夜には、各地で川の水があふれ始めました。そして午後11時10分、茨城県猿島郡中川村(現・板東市)付近で、ついに堤防が100メートルにわたり決壊。 その後、午前0時20分頃、埼玉県東村(現・大利根町)の新川通付近で、右岸が約340メートルにわたって大決壊しました。この新川通の決壊は、埼玉県下だけにとどまらず、荒れ狂う水は、一気に南下していき、2日後の9月18日、埼玉県と東京都の境にある大場川に流れが到達。19日午前2時には、ついに東京都葛飾区金町で破堤、葛飾区と江戸川区が浸水したのです。氾濫面積、約440平方キロメートル。 死傷者3520人。浸水した家、約32万戸。この雨台風は本土上陸もなしに、関東地方に未曾有の被害をもたらしました。
    カスリーン台風の被害は、渡良瀬川流域でも、大変大きなものになりました。足利市で、死者・行方不明者が319名、桐生市で、146名。渡良瀬川流域では、709名にのぼりました。

    渡良瀬川における著名洪水

    発生年月
     
    発生原因
     
    最大流量
    (早川田)
    推定値
     

    被害状況

    昭和13年8月
     
    台風
     
    3,200m3/s
     

    栃木県:堤防決壊63ケ所、死者行方不明者36名、床上浸水5,914戸、倒壊・半倒壊329戸
    群馬県:堤防決壊38ケ所、死者行方不明者34名、床上浸水1,667戸、倒壊・半倒壊419戸

    昭和22年9月
     
    カスリーン台風
     
    3,700m3/s
     

    栃木県:堤防決壊235ケ所、死者行方不明者437名、床上浸水4,610戸、倒壊・半倒壊1,432戸

    昭和23年9月
     
    アイオン台風
     
    3,780m3/s
     

    栃木県:堤防決壊73ケ所、死者行方不明者3名、床上浸水722戸、倒壊・半倒壊55戸
    群馬県:堤防決壊86ケ所、死者行方不明者10名、床上浸水341戸、倒壊・半倒壊17戸

    昭和24年8月

    キティ台風
     
    3,650m3/s
     
    栃木県:堤防決壊73ケ所、死者行方不明者12名、床上浸水722戸、倒壊・半倒壊2,566戸
    群馬県:堤防決壊8ケ所、死者行方不明者49名、床上浸水758戸、倒壊・半倒壊2,160戸
    昭和33年9月
     
    狩野川台風
     
    2,400m3/s
     

    栃木県:堤防決壊17ケ所、床上浸水16戸、倒壊・半倒壊20戸
    群馬県:堤防決壊8ケ所、死者行方不明者1名、床上浸水713戸、倒壊・半倒壊3戸

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