首都直下地震が発生した場合、都心部では、放置車両、道路施設の損傷等による幹線道路の深刻な渋滞等が発生し、緊急車両の移動が阻害されるおそれがあります。
そのため関係機関が連携し、震源が都心中央と異なる場合でも 発災後の迅速かつ的確な道路啓開を実施すべく、計画の改訂を行い「首都直下地震道路啓開計画(第4版)」(八方向作戦)を令和5年7月に策定しました。
迅速な道路啓開は、人命救助や緊急物資の輸送、さらには復旧・復興に大きく寄与します。
東日本大震災では、負傷者の命を救い、被災者に緊急物資を届けるルートを確保するため、緊急通行車両が移動できるルートを切り啓く「道路啓開」(「くしの歯」作戦)を実行しました。
人命救助で生存率が大きく変化する時間は3日間とされ、一般的に『72時間の壁』と言われています。これまでの時間に迅速な道路啓開できるかどうかが人命救助に直結することとなります。
首都直下地震発生の際には、都心に向けた八方向(八方位)毎に優先啓開ルートを設定し、一斉に道路啓開を進行(八方向作戦)させます。高速道路、国道、都道の被災箇所・規模が比較的小さい路線・区間を交互に組み合わせて優先啓開ルートを設定し、現地状況に応じて柔軟に対応しつつ、上下線各1車線の道路啓開を実施します。人命救助の72時間の壁を意識し、発災後48時間以内に各方向最低1ルートは道路啓開を完了することを目標としています。
関東地方整備局は首都直下地震に備え、関係機関と連携して迅速に緊急輸送道路を確保する道路啓開実動訓練を実施しています。訓練では、立ち往生車両の移動や路面段差の解消などを行います。
1:急ブレーキは禁物です。徐々にスピードを落とし、道路の左側にクルマを止めましょう。
2:エンジンを切り、揺れがおさまるまでは車外に出てはいけません。
3:窓を閉め、ドアをロックしないでキーはつけたまま徒歩で避難しましょう。
【高速道路では、さらに注意を】
●ハザードランプを点灯させ、高速走行している前後のクルマに注意を呼びかけましょう。
●約1kmごとにある非常口から徒歩で地上に脱出できます。
(出典:「消防庁 防災マニュアル―震災対策啓発資料-」より)
大震災(震度6弱以上)が発生した場合、環状7号線内側への一般車両の流入禁止、環状8号線内側への一般車両の流入抑制、緊急自動車専用路となる高速道路や主要な国道等(7路線)における一般車両の通行禁止規制等が実施されます。(道交法)
その後、緊急自動車専用路を優先的に緊急交通路に指定し、必要に応じて路線を追加(災対法)。