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事務所の取り組み

  • 4. 沿川整備の目標・方針

    1. 沿川整備の目標

    1)広域的位置づけと沿川整備の視点

    第5次首都圏基本計画では、東京中心部から近郊地域にまたがる江戸川沿川地域について、「都心部等における居住空間の創出、老朽木造密集市街地の解消等の都市空間の再編整備、低・未利用地を活用した地域整備の推進等による安全でゆとりある生活空間の創出等」を推進するとともに、柏市を中心とする業務核都市を含む「環状拠点都市群」を重点的に育成整備しつつ、拠点間の連携を推進し、さらに市川・松戸など各地域における生活や諸活動の中心となる「地域の拠点」を育成することにより、適正な機能分担と連携強化が図られた地域形成を推進することとしている。
    こうした沿川整備にあたっては、高規格堤防との一体整備により、より安全でうるおいのあるまちづくりを推進するものとし、その基本的視点を沿川自治体の上位計画、関連計画等に基づき整理すると、以下のとおりとなる。
    ・河川空間の整備と合わせた既成市街地の居住環境や沿川の広域的防災機能の向上を進める整備
    ・都市から農村までの多様な沿川土地利用形態に配慮した、それぞれの地域の個性・特性を重視した整備
    ・江戸川沿川の交流・連携を促進する交通ネットワークの形成と連動した整備
    ・広域的な水と緑の骨格形成軸としての豊かな自然環境を保全・活用しながら、潤いのある水辺空間や歴史・文化資源とのつながりをもった整備

    2)沿川整備の目標及び方針の設定

    このようなことから、沿川整備にあたっては次の目標を掲げることとする。

    水と緑で結ばれた潤いと安心のあるまちづくり

    また、沿川整備の方針としては、
    ・江戸川の治水機能と密集市街地での防災機能の向上を図る防災まちづくり
    ・沿川の多様な自然環境や市街地特性に対応した豊かなまちづくり
    ・交通ネットワークの形成と連動した沿川地域の連携強化による活力あるまちづくり
    ・江戸川とその沿川の豊かな自然と歴史を活かしたまちづくり
    の4つを掲げる。

    2. 沿川整備の方針

    1)江戸川の治水機能と密集市街地での防災機能の向上を図る防災まちづくり
    高規格堤防を整備することにより破堤による洪水氾濫を防止するとともに、沿川地域の木造密集市街地等防災上脆弱な市街地においては、高規格堤防と一体的に行われる面的整備事業等により、避難路や公園緑地などの防災空間の整備を行い、災害に強いまちづくりを図る。
    また、首都圏の防災基本計画や地域防災計画等を踏まえ大規模公園、緑地と一体となった広域的な防災拠点や、緊急用河川敷道路、河川敷ヘリポート、河川防災ステーション等の整備を行い、沿川地域の防災機能の向上とその連携強化を図る。

    2)江戸川の治水機能と密集市街地での防災機能の向上を図る防災まちづくり
    江戸川沿川の多様な土地利用や自然環境の状況を踏まえつつ、江戸川の河川環境を活かしながら、既成市街地の環境改善や農地・自然環境の保全などを図る。
    また、広域交通施設整備に併せた新市街地の整備や地域連携を促進する道路整備に対応して産業、レクリエーションなど新たな都市機能の導入を図る。

    3)交通ネットワークの形成と連動した沿川地域の連携強化による活力あるまちづくり
    既往の広域幹線道路等の交通ネットワークを活かしながら、江戸川沿川の南北方向の幹線道路や江戸川を渡る東西方向の幹線道路など沿川地域における道路網を拡充するとともに、鉄道新線の整備により鉄道網の拡充を図る。
    さらに、江戸川の舟運の充実、サイクリングロードの拡充・整備によりレクリエーション環境の向上に寄与し、地域間の連携・交流を促進する魅力あるまちづくりを図る。

    4)江戸川とその沿川の豊かな自然と歴史を活かしたまちづくり
    河川における多様な自然環境や現存する緑地資源を活用し、広域的な緑地の拠点を形成するとともに斜面林などの周辺緑地や高規格堤防整備とあわせ創出する樹林地等をつなぐ、緑のネットワークにより豊かな自然生態系の連続性を確保し、生物の多様性の確保に努めるものとする。
    また、この緑のネットワークに、散策路などの整備を活用し、沿川における多くの歴史文化資源やレクリエーション施設等を結びつけながら江戸川及び利根運河とあわせて、多様な教育、レクリエーションの場として強化を図る。

    3. 河川空間の活用方針(図14)

    江戸川の広大な河川空間は、避難地や自然地、レクリエーション地など多様に活用されており、都市における貴重なオープンスペースとしての役割がますます高まっている。
    この空間の価値を、今後もまちづくりに活かしながら、災害に強い、人と自然にやさしい空間づくりを進めていく必要がある。
    この観点から、沿川地域それぞれの需要を踏まえ、その適正化を図りながら河川空間を次のように活用していく。

    1)自然環境の保全・創出
    河川敷内の自然地、湿地やワンド、干潟とそこに生息する動植物の保全に配慮するなど、生物の多様性に対応した河岸の整備を進め、自然豊かな河川空間の創出に努める。

    2)レクリエーション利用
    豊かな水辺環境と親しむことができるよう、河岸の整備を進めるとともに、市民がスポーツを楽しむグラウンド、広場やサイクリングロード、ベンチ等を整備し、レクリエーションの場として活用を図る。
    その際、誰でも利用できるようバリアフリー化を図る。

    3)防災
    災害時における密集した市街地の避難地、あるいは救援活動の拠点として河川敷を活用する。また、輸送等防災活動のための緊急用船着き場、水防ヘリポートなどを整備するとともに、これらを幹線道路と連絡する緊急用河川敷道路の整備を図ることにより、地域の防災活動に寄与する。

    4)舟運
    緊急時における人員・物資の輸送のための緊急用船着き場の整備を図るとともに、水上バスや渡し舟を利用した川の教育、観光・レクリエーションなど、魅力を高めるための舟運の活用を図る。

    5)舟運
    沿川地域の多くは、水道水源として江戸川の水を利用しており、水質の維持・向上を図るため、流域の下水道等の整備推進、河川の清掃、沿川住民の協力等により江戸川の水質改善を図る。

    【図14 河川空間の活用方針】 【図14 河川空間の活用方針】
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