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防災情報

  • 重要水防箇所

    重要水防箇所って何?

    洪水の時には、その洪水により堤防が壊されたり、洪水が堤防を越えてあふれ出したりしないように、水防団の方々が土のうを積むなどの「水防」活動をして、堤防を守ります。そうした事態をいち早く察知するため、洪水が一定の規模になると水防団の方々は危険な箇所がないかどうか、堤防を点検します。ただし堤防を点検する区間は長いため、現在の堤防の高さや幅、過去の漏水などの実績などから、あらかじめ水防上重要な区間を決めておけばより効率的な堤防の点検ができ、危険な箇所の早期発見につながります。このような考えから毎年重要水防箇所を定めるとともに、洪水期前には関係者でその年の重要水防箇所を確認する合同巡視も行われています。

    ◆河川や堤防で何かお気づきの点がありましたら、お問い合わせメールフォームでご連絡下さい。

    重要水防箇所の考え方は?

    重要水防箇所は、その箇所の堤防の状態などにより「越水(溢水)」、「堤体漏水」、「基礎地盤漏水」などのいくつかの種別に分類されます。さらにその種別ごとに、その箇所の状況に応じて2つの重要度に区分されます。
    ・重要度A(水防上最も重要な区間)
    ・重要度B(水防上重要な区間)
    また、新しく堤防を作った「新堤防」、過去に堤防が決壊したことのある「破堤跡」、以前川だった所が堤防となっている「旧川跡」については、過去の経験から注意を要する箇所、また破堤などの履歴を残すため「要注意区間」として整理しています。

    重要水防箇所の評価基準

    重要水防箇所の評価基準表
    種 別 重要度等 要注意区間
    A 水防上最も重要な区間 B 水防上重要な区間
    越水(溢水)

    ※堤防が計画通りに完成していても、川底が高いことなどにより洪水があふれてしまう箇所(流下能力不足)もこれに含めています。

    計画高水流量規模の洪水の水位が現況の堤防高を越える箇所。

    ※「計画高水流量規模の洪水」とは、利根川の場合、概ね200年に1回起きる規模の降雨による洪水を想定しています。この時の雨は概ね300mmです。

    計画高水流量規模の洪水の水位と現況の堤防高との差が堤防の計画余裕高に満たない箇所。

    ※「計画余裕高」は利根川の場合2mです。

     
    堤体漏水 堤防の機能に支障が生じる堤体の変状の履歴(被災状況が確認できるもの)があり、類似の変状が繰り返し生じている箇所。
     堤体の土質、法匂配等からみて堤防の機能に支障が生じる堤体の変状の生じるおそれがあり、かつ堤防の機能に支障が生じる堤体の変状の履歴(被災状況が確認できるもの)がある箇所。
    水防団等と意見交換を行い、堤体漏水が生じる可能性が特に高いと考えられる箇所。
    堤防の機能に支障が生じる堤体の変状の履歴(被災状況が確認できるもの)があり、安全が確認されていない箇所、又は堤防の機能に支障は生じていないが、進行性がある堤体の変状が集中している箇所。
    堤防の機能に支障が生じる堤体の変状の履歴(被災状況が確認できるもの)はないが、堤体の土質、法匂配等からみて堤防の機能に支障が生じる堤体の変状の生じるおそれがあると考えられる箇所。
    水防団等と意見交換を行い、堤体漏水が生じる可能性が高いと考えられる箇所。
     
    基礎地盤漏水 堤防の機能に支障が生じる基礎地盤漏水に関係する変状の履歴(被災状況が確認できるもの)があり、類似の変状が繰り返し生じている箇所。
    基礎地盤の土質等からみて堤防の機能に支障が生じる変状の生じるおそれがあり、かつ堤防の機能に支障が生じる基礎地盤漏水に関係する変状の履歴(被災状況が確認できるもの)がある箇所。
    水防団等と意見交換を行い、基礎地盤漏水が生じる可能性が特に高いと考えられる箇所。
    堤防の機能に支障が生じる基礎地盤漏水に関係する変状の履歴(被災状況が確認できるもの)があり、安全が確認されていない箇所、又は堤防の機能に支障は生じていないが、進行性がある基盤漏水に関係する変状が集中している箇所。
    堤防の機能に支障が生じる基礎地盤漏水に関係する変状の履歴(被災状況が確認できるもの)はないが、基礎地盤漏水の土質等からみて堤防の機能に支障が生じる変状の生じるおそれがあると考えられる箇所。
    水防団等と意見交換を行い、基礎地盤漏水が生じる可能性が高いと考えられる箇所。
     
    水衝・洗掘 水衝部にある堤防の前面の河床が深掘れしているが、その対策が未施工の箇所。
    橋台取り付け部やその他の工作物の突出箇所で、堤防護岸の根固め等が洗われ一部破損しているが、その対策が未施工の箇所。
    波浪による河岸の決壊等の危険に瀕した実績があるが、その対策が未施工の箇所。
    水衝部にある堤防の前面の河床が深掘れにならない程度に洗掘されているが、その対策が未施工の箇所。  
    工作物 河川管理施設等応急対策基準に基づく改善措置が必要な堰、橋梁、樋管その他の工作物の設置されている箇所。
    橋梁その他の河川横断工作物の桁下高等が計画高水流量規模の洪水の水位(高潮区間の堤防にあっては計画高潮位)以下となる箇所。
    橋梁その他の河川横断工作物の桁下高等と計画高水流量規模の洪水の水位(高潮区間の堤防にあっては計画高潮位)との差が堤防の計画余裕高に満たない箇所。  
    工事施工     出水期間中に堤防を開削する工事箇所又は仮締切等により本堤に影響を及ぼす箇所。
    新堤防・破堤跡・旧川跡     新堤防で築造後3年以内の箇所。
    破堤跡又は旧川跡の箇所。

    用語の解説

    土のう(どのう)
    土のうはポリプロピレンなどでできた、40cm×70cm程度の袋に砂や土を詰めたもので、各種水防工法の基本的な材料として使われます。

    天端(てんば)
    堤防の一番上の平らな部分。利根川の計画では7.5mの幅を確保することとされています。

    漏水(ろうすい)
    洪水の時にその一部が堤防の内部を通って反対側に噴き出ることを堤体漏水(ていたいろうすい)といい、堤防からでなく地盤から噴き出ることを基盤漏水(きばんろうすい)といいます。堤体漏水には水防工法「月の輪」、基盤漏水には水防工法「釜段」を行います。

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