清水港を活用した輸出の促進
①農産物の輸出を支える
コールドチェーンの整備
- 山梨県の農産物の輸出量は拡大傾向であるが、輸送中の品質の維持が課題。
- 中部横断道の整備を契機に、清水港、静岡中央卸売市場では、農産物の輸出促進を目指し、一貫したコールドチェーン※の体制を構築するための冷蔵施設などを整備。
※ コールドチェーン:冷凍・冷蔵といった所定の温度を維持したまま、生産から輸送・保管の流通プロセスを鎖のようにつなげる仕組み
産地から清水港へのアクセス性向上
静岡県の取り組み
山の洲産品の清水港輸出拡大事業 |
- 山の洲(静岡県、山梨県、⻑野県、新潟県)産品を清水港から輸出する仕組みの構築
- 鮮度保持技術の実証や輸出先国の規制等に対応した産地との連携等を通じ、清水港を活用した農産物等の輸出拡大
- R4.9に山梨県産のシャインマスカットを清水港からタイへ初めて輸出
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生産者(輸出事業者)の声
- シャインマスカットの生産と出荷を近隣の農家と行っています。出荷の大半は、台湾・香港・タイに向けての産地直送の輸出で、輸出量は年々増加しています。
- 中部横断道の開通で、清水港までの時間が約30分短縮。畑から輸出先まで一貫したコールドチェーンを組めるようになりました。
- 清水港からの輸出増加を見越し、耕作面積を拡大し、生産量を増加させています。
(R4.3 ヒアリング結果)
山梨県の農産物の輸出量
出典:山梨県農政部資料
注)四捨五入の関係で合計値が合わないことがある
農産物の輸出促進に向けた取り組み
コンテナ詰めができる冷蔵施設
冷蔵・冷凍用コンテナの 電源プラグ
生産者(輸出事業者)の声
- 中部横断道の開通で山梨や長野からの輸送時間が大幅に短縮し、鮮度が良い状態で着荷してきています。
- ブドウの脱粒などのトラブルも減少しました。
(R4.2 企業ヒアリング結果)
②洋菓子の輸送効率の
向上を支援
- 山梨県の洋菓子工場は、冷凍ケーキ等の輸出量は増加傾向であり、R4年はコンテナの本数に換算すると約1,000本を輸出予定。
- 輸送ルートは、東京港・横浜港経由が約7割、清水港経由が約3割。今後は、中部横断道の開通によって、輸送効率が高まった清水港を利用した輸出拡大に期待。
洋菓子輸出の輸送ルートと所要時間
※1 企業ヒアリングによる運行計画時間 (港湾での待機時間を含まない)
※2 一律40km/hと仮定。
※3 企業ヒアリングによるR4計画値。
清水港利用による輸送の効率化
※4 『自動車運転手の労働時間等の改善のための基準』(厚生労働省)より 「1日の運転時間は2日平均で9時間が限度」
洋菓子輸出量の推移
出典:企業ヒアリング結果 注)数値は対R2実績の概数
洋菓子工場の声
- 山梨の工場で作った商品を東京港・横浜港と清水港から海外店舗に輸出しています。
- 海外店舗は毎年増加しており、それに合わせて輸出量も増加してます。
- 中部横断道の開通で清水港へのアクセスが良くなり、計算上では1日に2往復の輸送も可能となります。
(R4.6 企業ヒアリング結果)
③医療用機器の輸出支援
- 山梨県と静岡県には、大手の医療用機器メーカーの工場が立地。
- 清水港からの輸出額は、H24からR3にかけて約2倍に増加。
- 中部横断道の開通に合わせ、中部横断道からのアクセスが良い南部IC周辺に物流センターが開設。
- 物流センターでは、医療用機器メーカーから製品を搬入し、コンテナ詰めを行い、清水港から輸出(医療用機器の原料の輸入も実施)。今後の輸出拡大に期待。
医療用機器輸出の物流ルート
※従業者数100人以上の医療用機械器具・医療用品製造業事業所のある自治体より抽出
医療用機器の輸出額(清水税関支署)
出典:貿易統計(財務省)
集計対象:清水税関支署取扱の輸出品目(医療用又は獣医用の機器)
物流センター(南部町)
物流事業者(物流センター運営)の声
- 中部横断道の開通に合わせて南部IC直近 に物流センターを移転・開設しました。
- 昭和町や富士宮市に工場がある大手医療機器メーカーの製品を取扱い、清水港を利用して輸出を行っています。
- 中部横断道の開通で、工場や清水港とのアクセスが良くなり、輸送の時間も読めることから、工程を管理しやすくなりました。
- 戻りのトラックでは、清水港を利用して輸入した原料を工場に運んでいます。
(R4.6 企業ヒアリング結果)