「横環南自然環境検討委員会」中間報告のあらまし

1.高速横浜環状南線の概要
     高速横浜環状南線(以下「横環南」という)は、首都圏中央連絡自動車道の一部をなすと共に、神奈川県の「かながわ新総合計画21」、また、横浜市の「ゆめはま2010プラン」において、重要な幹線道路として位置づけられています。
     横環南は、横浜都心からおおむね約10〜15km周辺を環状に結び、横浜市郊外各区の相互連絡強化、横浜市内の交通混雑緩和等を目的に計画されている「横浜環状道路」の一部をなす、重要な自動車専用道路です。
    (起終点) 横浜市金沢区釜利谷町(かまりやちょう)〜横浜市戸塚区汲沢町(ぐみさわちょう)
    (延長) 約8.9km
    (設計速度) 80km/h
    (車線数) 6車線

2.検討の目的

     横環南の環境影響評価手続きにおいて、自然環境への配慮として、環境庁長官や横浜市環境影響評価審査会から、釜利谷地区における自然の改変に伴う周辺の動植物の生息・生育環境の変化等について、事前に専門家を加えて詳細な検討及び各種調査を行い、適切な対策を実施していく必要がある旨の意見が出されています。
     このため、平成8年3月に、「横環南自然環境検討委員会」(委員長:亀山章東京農工大学農学部教授)を設置し、横環南と多様な植物相を有する釜利谷地区(横浜市金沢区釜利谷町)の自然環境との調和に向けて、調査・検討を進めてきたところであり平成11年3月からその一環として、ヒメウキガヤ(神奈川県の絶滅危惧種)の一部移植実験を実施中です。

3.自然環境の現況

     横環南が通過する釜利谷地区は、横浜市の南部に位置し市内でも比較的自然環境がまとまって存在する地区であり、首都圏近郊緑地保全法に基づく「円海山・北鎌倉近郊緑地保全区域」や、横浜市緑の環境をつくり育てる条例に基づく「金沢市民の森」に指定されています。当地区内にはヒメウキガヤ(神奈川県の絶滅危惧種)の生育が 確認されています。

4.自然環境との調和に向けた基本方針

  1. 自然環境の保全
     横環南建設による改変部分の面積を可能な限り少なくするとともに、路線周辺に生息・生育する動植物の生息・生育環境への影響を可能な限り少なくするよう配慮することにより、自然環境の保全を図ります。

  2. 自然環境の復元
     横環南建設による改変部分に生息・生育する注目すべき種については、可能な限り改変前と同様な自然環境を有する箇所に移設・移植等の適切な対策を行うことにより、自然環境の復元を図ります。

  3. 自然環境の創出
     横環南建設により新たに出現する法面等は、植栽等の適切な対策を行うことにより改変前(主として樹林)と可能な限り同様な自然環境の創出を図ります。


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