国土交通省 関東地方整備局 渡良瀬川河川事務所
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渡良瀬川(現状)

地域の皆さまが安らぐ、安全で豊かな川を目指し、河川の整備を行っています。

渡良瀬川の概要

渡良瀬川流域

渡良瀬川は、栃木県と群馬県の県境にある皇海山(すかいさん)(標高2,143.5m) に源を発し、上流部の栃木県日光市足尾町から群馬県みどり市大間々町までは急峻な渓谷を流下し、桐生市や足利市などの中心部を流れ、栃木県栃木市藤岡町で渡良瀬遊水地に入り、巴波川や思川と合流し、茨城県古河市で利根川に合流しています。
渡良瀬川は、昭和22年9月のカスリーン台風で、流域の足利市と桐生市などで約700名の方が亡くなるなど、大きな被害を被りました。
これにより戦後の復興と相まって、河川整備が急務となり、渡良瀬川の改修計画の見直しが行われ、その後、渡良瀬川では、岩井分水路や草木ダムなどが整備されました。

気候の特徴

都市別平均気温グラフ

渡良瀬川流域は、太平洋側に位置することから、大きく「太平洋側気候」に分けられます。又、この流域は、関東地方の内陸部になるため、おおむね内陸性気候の特徴を持ち、夏は暑く、冬は寒いことがいえます。
しかし山地から平地、低湿地まで、色々な地形が分布しているので、局地的な気候の特徴も見られます。例えば、上流部の足尾地方の気候は、山岳性気候の特徴も見せています。
中流部にかけての平野部は、群馬県つまり上州にあたり「からっ風と雷」は、古くから有名です。
冬には、季節風が乾燥した空っ風となって平野部を吹き荒れますが、天気に関しては、裏日本とは逆に晴天が多いことがいえます。
夏は、周囲の山地が雷雲を呼んで、激しい夕立を降らせます。
それは時に洪水を招き、昔の人々は雷を恐れて、多くの雷神信仰につながりました。
雨の量は、上流部の足尾付近と赤城山周辺に降水量の多い地域が見られますが、南部の下流域に行くほど、少ない傾向が見受けられます。

地形地質の特徴

渡良瀬川の地形

渡良瀬川上流部の足尾地区は、標高1272メートルの備前楯山を中心にして、全域が山地であり、足尾山地と呼ばれています。新生代の断層活動により、渡良瀬構造線が形成されるとともに、火山活動が起こり、噴出したマグマに含まれていた金属成分が、足尾銅山の鉱床となりました。
渡良瀬川は山地を小枝状に刻みながら、谷や段丘を作り、南西の方角に流れていきます。大間々から下流部に向けては、足尾山地と八王子山地の間を流れています。この付近は、荒い砂礫でできた大間々扇状地を形成していて、礫層の上は、火山灰による関東ローム層で覆われています。
下流部の館林市付近は、沖積平地で著しい低湿地となっており、多々良沼を始めとする沼沢地が多いのが特徴です。これは、渡良瀬川、利根川が氾濫し、自然堤防を作ったための、後背湿地と考えられています。中世の渡良瀬川は、このような低湿地の上を矢場川に沿って流れていましたが、度重なる洪水や人工的な瀬替えによって、北に流路を変えていきました。

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