砂防と災害
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出張所管内の記録
釜無川出張所
昭和57年災害
多数の断層が交錯する急峻な南アルプス、火山噴出物による脆弱な地質をもつ八ヶ岳から流れ出る釜無川とその支流は、豪雨になると大量の土砂を押し流し、たちまち洪水を発生させて甲州街道(国道20号線)や沿道の集落に大きな災害をもたらしてきました。
釜無川やその支流はいずれも2000~3000メートルの山岳を水源とし、その高度に比較して流下する距離が短いために、流れは急激で「山岳河川」の名そのものであり、これらの山岳河川がひとたび出水すると山腹や渓岸を縦横に浸蝕し多量の土砂を伴って流れ下り、下流域では大扇状地をつくり、大量の土砂が川底を埋めて天井川を形成し、猛威をふるってきました。
最近では、長年の砂防対策によってそうした大災害は影を潜めていますが、源流帯の一次谷や山腹斜面では、頻繁に土砂の流出や土石流が発生しています。近年は人間の活動範囲が広がり、より幅広いエリアが私たちの生活の場へと変化しています。そうした私たちの現代生活は、活動エリアが広がることで現在でも土砂災害による危険に脅かされているのです。昭和57年台風被害
昭和34年台風被害
昭和34年台風7号により被災した富士見町立場川上流の立沢に建立された慰霊碑台風7号における富士見町の被害は、死亡者18名、行方不明1名、負傷者9名、被害総額6億3千万円(当時)に達した。
土砂災害を防ぐためにこんな事業を行っています
◎3つの砂防事業
総合土砂災害対策
降雨量によって土石流などの発生を予測し、各自治体の迅速な警報の発令、適切な避難行動へとつなげるための「総合土砂災害対策」を推進しています。