営繕
レンガ棟における児童書の増加に伴い収蔵スペースが不足してきたことに加えて、図書館としての新たなサービスの拡充と機能増加への対応を目的として整備を行いました。
「東京都歴史的建造物」の指定を受けているレンガ棟と調和のとれた施設整備とし、緩やかに弧を描くガラスのカーテンウォールを連続させ、中庭を中心とした一体感と開放感のある配置計画としました。既存樹木を保全しつつ開放的な中庭空間を創出し、来館者に憩いの場として積極的に利用されるものとしました。
地下階には不足している収蔵スペースを確保し、地下外壁の防水や一部に二重スラブを施すとともに、貴重な収蔵資料の安全性確保と温湿度調整など安定した室内環境となるものとしました。また、来館者の利便性に配慮して、通路の段差解消や幅員の確保に加えて、各階に多目的トイレを配置するなど、様々な利用者に対応できるようユニバーサルデザインに配慮しました。
環境への配慮としては、中庭に面した壁面全面をガラスのカーテンウォールとし、透明性の高いものとしながらも、遮熱と断熱を兼ね備えた複層ガラスを採用し、庇とロールスクリーンを設けるなど、熱負荷の低減や日射を制御する工夫を施しました。屋根面には屋上緑化と太陽光発電設備を設置し、雨水利用を行うなど、環境負荷低減に配慮しました。
所在地:東京都台東区上野公園12-49
敷地面積:7,735m2
建築面積:1,102m2
延べ面積:6,184m2
構造階数:SRC・S(一部RC)-3-2
完成年度:平成27年度