市内に点在していた国の機関を、群馬県庁、前橋市役所、前橋地方・家庭裁判所、前橋法務総合庁舎などの官庁施設が集中している地区に集約することで、利用者の利便性向上を図るとともに、耐震安全性の確保、バリアフリー対策など、利用者の安全・安心の実現に貢献することを目的に整備を行った。
敷地は、旧合同庁舎の道路向かい側にある旧中央公民館等の敷地(前橋市有地)と国の合同庁舎敷地の土地交換により取得している。この交換で、市と国の双方にメリットが生まれることになり、官庁施設整備として地域連携への貢献が図られている。
敷地周辺は、群馬会館や県庁昭和庁舎などの歴史的建造物が保存再生されている地区で、前面道路にはケヤキ並木が整備されている。これらの周辺環境に配慮し、低層部の外壁はレンガブロックを透かし積みすることにより、歴史的建築物の外観をイメージさせるとともに、その赤茶色はケヤキ並木の緑に映える色合いとし、共用会議室や一般利用が可能な食堂を並木に面して配置することで「歩いて楽しい」外部空間と賑わいを創出している。
また、本事業は、設計から施工に至る段階のBIM試行プロジェクトとして、設計BIMモデルを活用した施工BIMモデルの作成、時間軸を加味した工程シミュレーション、建築施工BIMモデルと設備施工BIMモデルの干渉チェックの実施などを試行し、その効果や有効性、課題等の検証を行った。
所在地:群馬県前橋市大手町2-3-1
敷地面積:5,472m2
建築面積:1,921m2
延べ面積:16,543m2
構造階数:S(一部SRC)-11-1-PH1
完成年度:平成27年度