霞ヶ浦導水事業の背景
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日本の水資源の特徴
降水量が多いにも関わらず渇水が多い。これが日本の水資源の特徴です。
限られた一人あたりの水資源量
水資源の安定的な供給は、豊かな国民生活の実現のために不可欠です。
我が国は、世界でも有数の多雨地帯であるモンスーンアジアの東端に位置し、年降水量は約1,697mmとなっています。これは、世界(陸域)の年降水量である約1,171mmの約1.4倍となっています。一方、年降水量に国土面積を乗じ全人口で除した一人当たり年降水総量でみると、我が国は約5,000m3/人・年となり、世界の一人当たり年降水総量約20,000m3/人・年の4分の1程度に過ぎず、国民一人当たりが利用できる水資源は限られています。● 年間降水量・一人当たりの年降水総量及び水資源賦存量の国別比較
渇水が発生しやすい気候的・地理的条件
わが国の気候的・地理的特性も、水資源の安定的な利用に不利な条件となっています。 降雨は、梅雨期や台風期に集中するとともに、河川勾配が急であるため大雨が降っても水が一気に海まで流下してしまいます。また、年降水量の経年変化をみると、1970年代から2000年代までは年ごとの変動が比較的大きい傾向にありました。
このため、わが国おいてはダム等の貯留施設や導水路を建設し、その適切な運用により、水資源の安定的な供給を図ることが重要となっています。● 河川の延長と勾配の比較
● 日本の年降水量の経年変化(1900年~2020年)