河川・河川敷の利用
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[河川・河川敷の利用への取り組み]
ミズベリング荒川下流便り
第9回ミズベリング荒川下流会議
第10回ミズベリング荒川下流会議を、令和3年3月17日(水)にアモアホールよりWEB会議方式で開催しました。
今回の会議では、荒川下流河川事務所よりミズベリングの取り組みと今後の展開案の説明の後、先進事例紹介として信濃川やすらぎ堤、多摩川狛江市における活動について、実際の民間事業者・民間団体、狛江市より取り組みの紹介をしていただきました。
その後、各市区から荒川等河川における水辺の取り組みについて報告があり、今後の展開について意見交換を行いました。
会議には、座長の東京大学知花准教授をはじめ、企業・団体(7組織)と、沿川自治体(8市区)にご参加いただきました。先進事例地からの事例発表の様子
各市区からの報告の様子
意見交換
(1)地元の声に耳を傾け、地域の魅力・特色を知ること
・市民は、公共の場に私的な欲求をぶつけることができると思っていない。まずは、市民は何をやりたいと思っているのか、
引き出すことが必要。また、地域の人が何をしたいのかを把握する仕組みづくりが大事である。
・墨田区では、公園に区の職員が会議テントを設け、区民の思いを吸い上げた。区役所に来ないような人たちの意見を現場で
吸い上げ、全力でサポートし、現在おもしろい展開になっている。
・地域の人が何とかしたいと思う場所に、何とかしたいと思う行政職員がいるということが、今後につながっていく。
・出てきた欲求の中でできることから官民知恵を出し合い引き出す。欲求からミズベリングの段階に至るには、公的な目的と
合致させる「翻訳作業」が必要だ。
・水辺に対する個人の欲求というものを公共の目的に合致したものに育てていく。ミズベリングはそのプラットフォームに
なり得るのではないか。
・荒川の長所(広大な敷地・緑、豊かな水量、海とのつながり)と短所(人と川の心理的距離感、水面・河川敷・まちとの
物理的距離感)を理解したうえで、何ができるのか考える必要がある。
(2)官民双方で熱意のある人を見つけて、そこからじわじわと広げていくということ
・実現不可能な事項でも防災・減災等、他の事項と合わせて考えるとうまくいくこともある。そして、その欲求のひとつひとつが
地域の活力になると思い、取り組む。
・官民双方で熱意のある人、地域のために一肌脱いでくれる人を探し出して巻き込んでいくことが重要である。
しかし、ボランティアだけでは継続しない。ビジネスを踏まえたしくみづくりも必要だ。
・若い人をどう巻き込むか。世代的な価値観の違いも頭に入れて、若者が入り込みやすいしくみを作る。
・二子玉川では、沿川の学校が水辺教育を行っている。小さい頃から川のことが頭にあるおかげで、川での活動に積極的な人が
多いということに繋がっているのではないか。
・コアな人が活動を支えていると、顔ぶれが固定され、広がりがない点が課題となる。そのため、ゆるいつながりのネットワーク
を作っていく。
・民間や個人と行政が、許可をもらう・与えるという関係ではなく、全員が当事者意識をもって「みんなごと」として考えることが
重要である。
(3)長期的な地域の姿を想像すること
・荒川を魅力的な空間にすることがまちの魅力にもなる。
・今はできなくとも、10年後の実現を目指すというスタンスで考える。
・ミズベリングでは、現状いない人の存在を前提として活動するのではなく、将来そのような人が出てきたときの未来の自治の
レベルアップということを想像して活動してみてはどうか。
・現時点での枠組みで考えていると何も変わらないならば、今後のために、社会実験を仕掛けて行く。会議のまとめ
本日の議論では、(1)地元の声に耳を傾け、地域の魅力・特色を知ること、(2)官民双方で熱意のある人(キーパーソン)を見つけて、
そこからじわじわと広げていくということ、 (3)長期的な地域の姿を想像することが指摘された。この視点は、ミズベリングに限った
ことではなく、地域をよくするという基本的なことである。一度原点に立ち返って、荒川で何ができるか、3点をどうつないでいくか
戦略を検討していきたい。集合写真