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    昭和57年災害の記録

    昭和57年台風10号 気象状況

    昭和57年8月2日未明、渥美半島に上陸した台風10号は、強い風雨をともない日本列島を横断した。
    この影響で山梨県下全域が豪雨に見舞われ、各地で土砂崩れ、河川の氾濫が続出した。
    山梨県「昭和57年58年災害誌」によると、この台風での死者・行方不明者は7名、全壊家屋は30戸である。

    ●台風の経路
    昭和57年7月22日3時頃、マーシャル諸島で発生した弱い熱帯低気圧は西北西に進みながら発達し、24日3時、南鳥島の南南東約1000キロメートルの海上で台風10号となった。
    台風10号は、毎時20キロメートルの速度で北西に進みながら発達し、29日21時には、硫黄島の南南東250kmの海上に達した。
    8月1日12時、鳥島の西350キロメートルから次第に進路を北にとり、速度を増しながら北上し、同日24時に渥美半島西部に上陸した。
    このときの中心気圧は970ミリバールであった。
    その後、2日3時に岐阜県高山市の南西20キロメートルを通過し、4時頃日本海に抜けた。

    ●降雨状況
    山梨県内では、7月31日夕刻から小雨が降りだし、県下全域で雨となった。
    台風が渥美半島へ上陸した31日未明から雨が強くなり、台風が日本海に抜けた8月2日6時頃まで降り続いた。
    県下全域で大雨となったのは、8月1日18時すぎ頃からで、時間雨量で特に多かったのは、大菩薩峠49ミリメートル、上野原64ミリメートル、上九一色56ミリメートル、大月45ミリメートル、南部43ミリメートル、河口湖40ミリメートルであった。

    ※雨量分布図は、山梨県「昭和57年58年災害誌」(図3-1-2 総雨量分布図)より抜粋

    台風第10号雨量分布 台風第10号雨量分布(昭和57年7月30日~8月2日)

    昭和57年台風18号 気象状況

    昭和57年9月12日夕刻、静岡県御前崎町付近に上陸した大型で並の強さの台風18号は、同日20時から22時にかけて山梨県東部を縦断した。
    この影響で山梨県内各所の河川が増水し、崖崩れが続出した。
    山梨県「昭和57年58年災害誌」によると、この台風での死者・行方不明者は1名、全壊家屋は4戸である。

    ●台風の経路
    昭和57年9月5日21時グアム島南西海上に発生した弱い熱帯低気圧は、西進しながら発達し、9月6日9時、中心気圧994ミリバールの台風18号となった。
    その後台風は北西に進みながら次第に勢力を強め、9月10日3時中心気圧960ミリバールの大型で並の台風となった。
    台風18号は、9月11日18時には、八丈島の南西約640kmに達し、中心気圧は965ミリバール、最大風速は秒速35メートル、風速毎秒25メートル以上の暴風域は、半径250キロメートルとなった。
    台風は大型で並の強さを保ちながら、北へ進路を変え、9月12日18時頃静岡県御前崎町付近に上陸した。
    上陸後は、次第に勢力が弱まり、9月12日20時から22時にかけて山梨県東部を縦断し、13日8時には北海道苫小牧市の南100キロメートル付近で温帯低気圧に変わった。

    ●降雨状況
    本州南岸に停滞していた秋雨前線が台風の北上にともない活発になり、山梨県内では9月10日の6時頃から小雨が降りだし、10時頃全域で雨となった。
    9月11日20時頃、台風18号が八丈島の南西海上に達したあたりで、強い雨雲が北上したため、同日22時20分、大雨洪水警報が発令された。
    台風上陸の9月12日18時頃には、時間雨量で南部70ミリメートル、河口湖23ミリメートルの強い雨に見舞われ、10日降り始めから、12日24時までの総雨量は、南部 601ミリメートル、山中488ミリメートル、上九一色433ミリメートル、中富426ミリメートル、上野原423ミリメートル、河口湖412ミリメートル、日向山411ミリメートル、大菩薩372ミリメートル、大月335ミリメートル、甲府290ミリメートルを記録した。

    ※雨量分布図は、山梨県「昭和57年58年災害誌」(図4-1-2 総雨量分布図)より抜粋

    台風第18号雨量分布 台風第18号雨量分布(昭和57年9月10日~9月12日)
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