既存庁舎の老朽・狭隘化、耐震性能不足及び民借を解消するため、現法務総合庁舎の敷地内で建て替え整備を行う事業である。1期工事として既存庁舎の南側に高層棟を整備し、既存庁舎の各官署が高層棟に移転した後に既存庁舎を取りこわし、その位置に2期工事として低層棟を整備することで民借を解消するものである。
敷地は業務ビルや住宅等が混在する位置にあるため、建物をできるだけ南側に寄せた配置計画とし、沿道の景観形成に配慮するとともに、西側・北側の住宅への日影の影響を最小限に抑えた。
平面は両サイドコアとし、来庁者の利用動線を主に東側コア、職員動線を西側コアとして、双方を明確に分離した。これによりセキュリティを向上させるとともに、明快な動線計画とすることで利用者にとって分かりやすいものとした。
立面は、柱の鉛直性を意識した縦強調のデザインとし、開口部はタイル面とPC面を対比させ、表情豊かな品格を備えるとともに、彫りの深い開口部は日射遮蔽による熱負荷低減にも寄与している。外装タイルは柔らかみの感じられるスクラッチ調のもので、色彩は地元の特産である大谷石をイメージした温かみのあるオフホワイト色とした。
また、内装材に木材を積極的に活用するとともに、1階ホールには大谷石を用いることで地域の皆様に親しまれる空間を目指した。
所在地:栃木県宇都宮市小幡2-1-11
【1期工事】
敷地面積:5,960m2
建築面積:1,399m2
延べ面積:14,008m2
構造階数:S-10-1-PH1
完成年度:平成29年度
【2期工事】
敷地面積:5,960m2
建築面積:510m2
延べ面積:1,373m2
構造階数:S-3
完成年度:令和2年度