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慶長9年(1604)、徳川家康の命によって街道に植樹された並木は、江戸時代を通して旅人を風雪から守り、また照りつける陽光をさえぎり、優しい木陰をつくりだすと同時に、道路敷を確保するための重要な役目を担っていた街道施設であった。
箱根旧街道の杉並木 写真家フェッリクス・ベアト撮影 横浜開港資料館蔵 |
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神奈川県内の東海道を通観すると、川崎宿から箱根宿までの宿間距離合計は、44,220間(けん)(20里17町)ある。 その間の並木の範囲を『東海道宿村大概帳』から求めてみると、約26,092間となり、県内の東海道の約6割に並木があったということになる。 |
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東海道分間延絵図に 描かれた大磯宿から 二之宮村にかけての 松並木 東京国立博物館蔵 |
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『東海道分間延絵図』から並木の形状を観察してみると、川崎から小田原までは松並木が描かれており、一方、箱根山に入ると杉並木になっている。これは、標高が増すに従い、気温の低下、高湿度、降雨量の増加という自然現象が、並木の樹種をその環境に適した杉へと選択せしめていったものと考えられている。 |
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箱根町には、現在、412本の並木杉が残存しているが、良好な健康状態を保っている木は、わずか30%に過ぎない。100年後には現在の1/3の本数になってしまう恐れがある。箱根町の教育委員会では、この見事な杉並木を子孫へ伝えるため、保護活動に力を注いでいる。 |
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