ヒメウキガヤ解説

 

イネ科  Poaceae(=Gramineae)世界に651属,そのうち61属が水辺の種を含む。 文献 長田(1989)



ドジョウツナギ属  Glyceria R.Br 温帯〜亜寒帯地域に分布。約40種。湿地〜水辺に生育する種が多い。

ヒメウキガヤ(ウキガヤ)

Glyceria depauperata
Ohwi;G.leptorhiza Maxim.var.depauperata (Ohwi)T.Koyama

北海道と本州の河川(上〜中流域),水路,水田などの水辺や水中に生育する多年草。稈は細長く水中を這い、葉は水面に
浮遊するか、立ち上がる。ときに沈水状態でも生育する。葉は互生、葉鞘は長さ4〜7(〜12)cm、閉じて筒状になる。
葉舌は半透明膜質で高さ2〜5mm、葉身は狭線形、長さ3〜13cm、幅2〜4mm、先端は鋭頭(標本では先端がわずか
に2裂したものを見るが、これは強く押さえたためかもしれない)。花期は5〜7月。花序は円錐花序で、中軸から出た枝に
1〜数個の小穂(長さ10〜25mm)が付き、各小穂には小花が密に付く。しかし、花序の枝も小穂もあまり横に広がらず
ほぼ中軸にそって直立または斜上しているため花序全体はほぼ線形に見えることが多い。                
  流水中では開花が希であり、また花期が限られているため、花のない状態で見かける機会が多い。そのため同定の手掛
かりが乏しく、各所に生育しているわりには正しく認識されていない種と思われる。                   

ヒメウキガヤ標本

ヒメウキガヤ標本(北海道弟子屈町産)
Specimen of G.depauperata




ヒメウキガヤ写真

ヒメウキガヤ流水に浮かび花を欠く状態(兵庫県青垣町)
   Glyceria depauperata.A sterile form in running water

  

出典先:1994 角野康郎「日本水草図鑑」(文−総合出版)

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