砂防事業
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松木山腹工
昭和62年
平成24年
松木川流域は、慶長15年(1610)の足尾銅山の発見以来、銅の生産を中心に発展してきました。しかし、銅の精錬による亜硫酸ガス、無計画な木々の伐採、たび重なる山火事により、次々に森林が消えてしまいました。その結果、山腹斜面は草も木も生えない裸地となり、表土は雨により流出し下流域に甚大な被害を与えました。
直轄砂防事業は下流への土砂流出を防ぐための砂防えん堤の整備を中心に進めてきましたが、山腹斜面からの土砂流出に対しては、砂防えん堤を設置するだけでは根本的な対策にはなりません。土砂の供給源を絶たない限り土砂は発生してくるからです。このため松木川上流域を渡良瀬川流域における最重点箇所として位置づけ、国土交通省、林野庁、栃木県が一体となって荒廃した斜面からの土砂の流出を防ぎ、失われた緑を復元する山腹工事事業を実施しています。
またNPO法人などによる植樹活動により、足尾に緑を取り戻す活動も活発化しています。