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利根川の紹介

  • 歴史散歩「利根川の碑」

    戸谷塚観音

    説明

    戸谷塚観音 戸谷塚観音

    沼の上から流下した利根川は南に八丁河原を衝いて左に折れ、島村の河原で烏川と合流していた。その後この流れは埋まり、新たに北方に流路ができた。それから後ここを掘り下げて利根の水を三割ここに流し、北の流路に七割を流下させた。ところが天明3年の浅間噴火で北の流れはすっかり埋まり、三割分流れていた流路が利根川の幹流となり今日におよんでいるので、この川を三分川といい、埋まった北流を七分川というのである。今の沼の上から東へ歩いてみたが、現在は柴町、戸谷塚、福島あたりに利根の水は一滴も流れていない。すなわち七分川の痕跡は見出せない。本庄から坂東大橋を渡り、すこし先の戸谷塚に子安観音堂がある。ここは浅間山の噴火の際押し流されて来た多くの水死人を葬ったところである。
    萩原進氏の「上州路」に「天保3年7月8日の浅間山大爆発は少なくとも千数百人の人命を失った・・・。急に泥流に押し流された吾妻川ぞいの人々は、家もろとも利根川に押し出された高熱の泥流に加えて酷暑の夏のことであったからその死骸はほとんどふらんして下流のあちこちに打ち上げられたものが少なくなかった。土地の人々は、気の毒なこれらの無縁仏を厚く葬り、その上供養塔をたてた。流は川巾が広く浅瀬があるので、なお多くの死骸が打ち上げられた。佐波郡の五料、柴、戸谷塚もそうだ・・・。子安観音境内に一基の座り地蔵尊がある。・・・これは半けっかの座像で、台石の上の竿石の表に「供養塔」、右に「天明4年辰年11月4日」左に「施主、戸谷塚村」と刻してある。・・・」
    ここには今は利根川の流れはないが、昔の七分川の流路がここにあったことが証拠立てられる。

    位置

    群馬県伊勢崎市戸谷塚410

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