利根川を楽しむ
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利根川の生物
利根川の生物「特定外来生物」
特定外来生物による被害防止について
絵:河川における外来種対策に向け[案] 「(財)リバーフロント整備センター」より
飼養、栽培、保管、運搬、輸入といった取扱いが規制されています。
外来生物法の詳細は、環境省自然環境局ホームページをご覧ください。
http://www.env.go.jp/nature/intro/index.html[外部サイト]
利根川下流域の特定外来生物
利根川下流河川事務所では、定期的な動植物調査「河川水辺の国勢調査」を実施しています。
その結果、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」(以下外来生物法)において「特定外来生物」に指定されている動植物として、以下の魚類4種、植物3種、鳥類1種、両生類1種を確認しています。このほか、近年では軟体動物等としてカワヒバリガイが確認されています。魚類
チャネルキャットフィッシュ(アメリカナマズ)
■チャネルキャットフィッシュ(アメリカナマズ)
【特徴】
最大で全長132 cm。体は細長く、頭部は縦扁しているが、日本のナマズほど平たくない。
【被害状況】
大型になる上位捕食者で水域の様々な動物を捕食する。
【利根川下流管内の分布】
利根川本川の利根川河口堰上流で広く確認されている。カダヤシ
■カダヤシ
【特徴】
全長は雄で3 cm、雌で5 cmほど。メダカに似るが、体がもっと青っぽく尾鰭が丸い。
【被害状況】
水槽内実験によると、カダヤシがメダカの尾鰭を食いちぎったり、メダカの仔魚を捕食したりするなどして、メダカと競合し、駆逐することが示されている。
【利根川下流管内の分布】
利根川河口堰下流の1箇所で確認されている。ブルーギル
■ブルーギル
【特徴】
全長25cm。生後約1年目までの幼魚では体形がやや細く、体側には7~10本の暗色横帯がある。
【被害状況】
日本各地の湖沼やため池、堀などに侵入・定着し、優占魚種の一つとなっている。
【利根川下流管内の分布】
河口付近を除くほぼ全川で確認されている。オオクチバス(ブラックバス)
■オオクチバス(ブラックバス)
【特徴】
全長30~50cm。上あごの後端が眼の後縁の直下よりも後方に達する。
【被害状況】
京都府深泥池ではオオクチバス等の侵入後に在来魚の種数が減少したり、個体数が激減したりしている。また、在来種の減少により生物相に変化が生じている。
【利根川下流管内の分布】
利根川河口堰より上流で広く確認されている。植物
アレチウリ
■アレチウリ
【特徴】
ウリ科の一年生草本で、生育速度が非常に速いつる性植物で、長さ数~十数mになる。群生することが多い。
【被害状況】
全国の河川敷等で大繁茂し、河原の固有種との競合や駆逐のおそれから、駆除が実施されている。
【利根川下流管内の分布】
利根川河口堰上流域で分布が確認されている。■オオフサモ
【特徴】
アリノトウグサ科の抽水性の多年草で、水面からの高さは0.2~0.3m。温帯~熱帯に分布する。
【被害状況】
茨城県霞ヶ浦では、湖の一部や周辺水路で大繁茂し、在来種への影響が危惧され、駆除が行われている。
【利根川下流管内の分布】
旧波崎町や我孫子市で確認されている。
■ボタンウキクサ
【特徴】
サトイモ科の浮遊性の常緑多年草で、高さは10cm程度である。
【被害状況】
浮遊性の水草で、水面を覆い尽くして光を遮ることで、他の植物の光合成を阻害することが指摘されている。
【利根川下流管内の分布】
小貝川で局所的に確認されている。鳥類
■ソウシチョウ
【特徴】
渡りはせず定住的で、ヤブに営巣する。
【被害状況】
本種が優占種になることで、群集構造が著しく変化している可能性がある。長期的には同所種や捕食される小動物等への直接間接の負の影響も推定される。
【利根川下流管内の分布】
平成15年度に取手市小文間で1個体が確認されている。両生類
ウシガエル
■ウシガエル
【特徴】
大型で極めて捕食性が強く、口に入る大きさであれば、ほとんどの動物が餌となる。
【被害状況】
京都市の深泥池では、本種が昆虫、甲殻類、魚類などの様々な動物を捕食していることが報告されている。クサガメの幼体を捕食した記録もある。
【利根川下流管内の分布】
利根川下流管内で広く確認されている。軟体動物等
カワヒバリガイ
■カワヒバリガイ
【特徴】
殻長2~3cmの淡水棲のイガイ科の二枚貝。浮遊幼生期を持つことが知られ、水域を通じて広範囲に拡散する。
【被害状況】
南米では大量発生し、在来生物群集の生息地を圧迫している。また、大量斃死すれば、急激な水質悪化を引き起こす。
【利根川下流管内の分布】
我孫子市、印西市付近及び霞ヶ浦で確認されている。