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地域との連携

  • 利根川インタビュー

    水害は、決して「過去の出来事」ではありません。

    印旛利根川水防事務組合 事務局長 杉田昭一さん

    国と香取市の恊働事業。民間の施設運営ノウハウにも期待しています。

    印旛利根川水防事務組合 事務局長 杉田昭一さん 印旛利根川水防事務組合 事務局長 杉田昭一さん

    水防活動とは、河川が大雨などにより増水した時に堤防や水門などを巡視し(見回り)、川の水があふれたり漏水している場所がある場合には土のうを積み、竹や杭、シートを使って水害を防ぐものです。平常時には水害に備えた訓練や、堤防・水門の見回り・点検を行います。水防活動の中心的な役割を担う「水防団」は、千葉県では地域の消防団が兼任しています。台風や集中豪雨などで川の水位が上がり水防活動が必要になったら、水防管理者(市町村長)の指示により参集し、水防団として出動します。団員は非常勤特別職の地方公務員で、平常時は会社員などほかに職業を持つ方がほとんどです。

    出津地区河川防災ステーション 出津地区河川防災ステーション

    印旛利根川水防事務組合は、成田市・佐倉市・栄町・白井市・酒々井町・八千代市・四街道市・印西市の8市町で組織され、水防団は4,318名の団員が所属しています。いざという時は、利根川下流河川事務所により整備された栄町出津地区の「河川防災ステーション」などを拠点に、水防活動を実施することとなっています。

    恐ろしい増水時の利根川。油断はできません。

    昭和13年洪水 昭和13年洪水

    明治43年や昭和13年の利根川洪水で大きな被害を受けた経験から、この地域は水害に対する意識が高く、大雨の際には堤防に上がって利根川の状況をチェックし、気づいたことを連絡してくださる住民の方もいらっしゃいます。幸い、最近大きな水害は発生していませんが、それでも水量が増えたときの利根川は恐ろしいものです。川幅はいつもの3倍以上になり、流れは速く、水は茶色や黒に濁っています。やはり増水時の利根川には注意が必要だと巡視(見回り)のたびに感じますね。

    第57回利根川水系連合水防演習 第57回利根川水系連合水防演習

    もしもの時、迅速に対応できる体制づくりは欠かせません。そのため訓練を重視しており、より多くの団員が参加できるよう休日に実施しています。利根川水系の1都6県と国土交通省の主催で、平成20年に栄町出津地先の利根川河川敷で行われた第57回利根川水系連合水防演習にも参加し、竹と俵を使用して堤防に当たる川の水の流れを緩やかにし、堤防が壊れるのを防ぐ「屏風返し」など、さまざまな水防工法に取り組みました。私たち水防団はいつでも地域に密着した活動ができるよう体制や技術の向上に努めていますが、より多くの住民の方にも水防活動や河川への関心を持っていただきたいですね。利根川流域に暮らす私たちにとって、水害は決して過去の出来事ではないのですから。

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