利根川ダム統合管理事務所
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ダムの役割
ダム群の機能洪水調節の仕組みダム運用の特徴洪水調節の効果
利水補給の効果川の水量の確保環境保全の取り組み詳細な情報
ダム群の機能
利根川上流ダム群の目的は、
(1)洪水調節する機能、
(2)かんがい用水や水道用水や工業用水等を確保する機能、
(3)渇水時には河川環境を保全する機能があります。(→ダム諸元一覧
利根川ダム統合管理事務所では3つの機能を果たすため、下記の方法で運用しています。

 
出典 : 表中の数字は「第三十回河川整備基本方針検討小委員会 参考資料4 利根川水系河川整備基本方針 
流水の正常な機能を維持するため必要な流量に関する資料(案)
同 参考資料11 利根川流域図 平成171219日」 国土交通省河川局ホームページより引用 
なお、(*)は「関東地方ダム等管理フォローアップ委員会 利根川上流ダム群定期報告書 
平成16621日」 国土交通省関東地方整備局・独立行政法人水資源機構より引用

 
 
〔高水管理〕 〔低水管理〕

出典:「8つのダムを効率的に運用する利根川ダム群の統合管理」パンフレット
国土交通省関東地方整備局利根川ダム統合管理事務所

 
 
洪水調節の仕組み

梅雨の季節や台風の時には、たくさんの雨が降ります。
洪水が起こった時には、上流から流れてくる水を一時的にダムに貯めて下流部の流量を低減させ、下流域の洪水被害を軽減します。

ダムがないとき
ダムがあるとき
   
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梅雨の季節や台風の時には、たくさんの雨が降ります。
降った雨はいっせいに川に集まり、洪水となります。川が流すことのできる流量を超えると氾濫してしまいます。
大雨が降って、たくさんの水がダムに流れこみます。
ダムは、河川を流れる洪水の一部を貯留し、下流の洪水被害を軽減させる役目をもっています。
ダムの洪水調節の方法

ダムに洪水を貯め調節する方法は、ダム毎に決まっています。(→ダム諸元一覧
ダムに流れ込む水が一定量以下のときは流れ込む水の量と同じ量を放流します。(Q〜QA
さらにダムに流れ込む水の量がふえ、一定量を超えたとき、流れ込む水の一部をダムに貯め、流れ込む水の量の一部を放流します。(QA〜QB
ただし、その能力を超える大きな洪水が流入した場合には安全のため、ダムへ流入する洪水をそのまま下流へ放流します。
このため、ダムより下流では一時的に急激に水位が上昇することがありますが、この場合でも、流入する洪水以上の流量を下流へ放流することはなく、ダムがあることによって洪水被害が大きくなることはありません。

ダムの洪水調節の方法の説明図
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ダム運用の特徴

利根川上流のダム群では、夏季(洪水期7〜9月)は、洪水が来た時にダムにたくさん水を貯めるためポケットを空けておきます。
一方、雨の少ない冬季(非洪水期10月〜翌年6月)は、ダムに多くの水を多く貯めます。
下図のように季節に応じてダムの容量を配分します。(→ダム諸元一覧

雨が多い年は洪水調節
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雨が少ない年は下流へ補給
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洪水調節の効果

計画上のダム洪水調節効果
おおよそ200年に1回の確率で起こると想定される、昭和22年カスリーン台風規模の洪水が発生した場合、利根川・八斗島地点では、22,000m3/sの水量が流れると想定されます。
そこで、昭和55年に策定された「利根川水系工事実施基本計画」によって、利根川上流のダム群で6、000m3/sを洪水調整し、八斗島地点の洪水を少なくすることができるようになりました。
カスリーン台風洪水の時には、堤防が決壊し、利根川の昔の流路沿いに甚大な被害が発生しましたが、利根川上流ダム群によって利根川の洪水量を減らすことで、堤防への負担を軽くし、洪水被害を起こりにくくしています。

近年の洪水でのダム洪水調節効果(平成10年9月16日洪水の実績より)
平成10年9月に発生した台風5号は、8年に1回の確率で起こる洪水に相当する規模で、5ダム完成後の近年では比較的大きな洪水です。

平成10年9月台風5号
H10年は台風の発生が遅く、日本に影響した台風が比較的少ない年でしたが、梅雨前線が日本列島に停滞して、関東、東北地方を中心に狭い地域で短時間に集中豪雨を記録した年です。台風5号の影響により9月15日夕方から関東、中部地方を中心に降り始めた雨は、ところにより累加雨量が400mmとなりました。
平成10年の梅雨前線発生状況  
 
出典:「水害レポート’98 平成10年度」冊子 (社)日本河川協会
 

 

平成10年9月15日〜16日に流域に降った雨量は185mm(八斗島上流流域平均)で、利根川上流ダム群では、藤原ダム・相俣ダム・薗原ダム・矢木沢ダム・奈良俣ダムの5ダムで洪水調節を行いました。利根川(八斗島地点)の流量は9770m3/sに達しました。
この時にダムが洪水調節した水量は17,149千m3で、前橋市のグリーンドーム約17杯分に相当する水量をダムに貯留することで、利根川の洪水量を減らしました。
ダムの洪水調節の効果を推定すると、ダム近くの湯島(水上町温泉街)では207cm、前橋(群馬県庁)では70cm、洪水時の水面を低くする効果がありました。
 
出典:「関東地方ダム等管理フォローアップ委員会 利根川上流ダム群定期報告書
平成16621日」 国土交通省関東地方整備局・独立行政法人水資源機構
 
 
1 H10.9台風5号による実績降雨による流出計算により、ダムがある場合とない場合を比較
出典:第11回関東地方ダム等管理フォローアップ委員会 利根川上流ダム群 定期報告書 H16.6.21
国土交通省 関東地方整備局 独立行政法人 水資源機構
 

 
利水補給の効果

利水補給の現状
利根川水系における水利用は、古くから農業用水を主体として行われてきましたが、現在では、群馬県、茨城県、栃木県、千葉県、埼玉県、東京都の農業用水水道水の補給工業用水の供給及び発電等に利用されています。
水道用水として、首都圏に暮らす約2,750万人に給水していますが、その給水量の90%はダム等により新たに開発された水であり、ダム等の水資源開発施設に大きく依存しています。

 

利根川水系における許可水利量の構成   利根川水系に依存する水道の給水人口
 

出典:「第三十回河川整備基本方針検討小委員会 参考資料7利根川水系の水利用及び環境に関する特徴と課題 
平成171219日」 国土交通省河川局ホームページ

 

計画目標(利水安全度)
利根川では、概ね5年に1度程度の割合で発生する渇水程度では、取水制限を行わず水を安定的に供給することができるよう水資源の開発を進めています。
しかし、利根川では近年2〜3回の1回の割合で渇水により給水制限に至る状況が発生しています。その原因のひとつは、必要とする水量がダムによって実際に供給できる量を上回っているためです。


地域
水系
利水に対する安全度
関東
利根川・荒川水系
1/5
確率的に5年に1回起こる渇水までの水を安定供給することを目標
中部
木曽川水系
1/10年
近畿
淀川水系
1/10年
九州 筑後川水系 1/10年

出典:「第2回水マネジメント懇談会資料 平成15年6月18日」国土交通省河川局ホームページ

 

出典:「第三十回河川整備基本方針検討小委員会 参考資料7利根川水系の水利用及び環境に関する特徴と課題 
平成171219日」 国土交通省河川局ホームページ

 

利根川上流ダム群による渇水被害軽減の効果
利根川上流ダム群は、首都圏の水がめとして利水補給の機能を果たしています。
かつて東京オリンピックを目前に控えた昭和39年の夏の渇水では、断水寸前の危機的状況に追い込まれました。
しかし、現在の利根川では、このオリンピック渇水と同じ規模の渇水が起きても上流のダム群に貯めた水を利用することで、断水や減圧給水による被害を少なく抑えることができます。

昭和39年 オリンピック渇水の状況
給水制限 期間 昭和39年7月〜10月
最大給水制限率 50%
応急
給水対策
・給水車120台出動
・自衛隊215車両、警視庁、米軍による応援給水
・神奈川県からの緊急分水(10万m3/日)
・北多摩8市(立川、国立など)より受水
・小河内ダムで人工降雨実験の実施
・家庭ではパン主体の食事に、入浴・洗濯の制限
生活への
影響
・消防活動への影響(消火栓の水の出悪化)
・医療活動への影響
(手術できない、急患以外は休診)
・理髪店、クリーニング店、製氷会社への影響
・プールへの注水禁止
・給水車からの水運び、時間給水への拘束
・魚による食中毒の続出

出典:「第三十回河川整備基本方針検討小委員会 参考資料7 利根川水系の水利用及び環境に関する特徴と課題 
平成171219日」 国土交通省河川局ホームページ


近年の利水補給の効果(平成8年渇水)
平成8年の夏に見舞われた渇水の時、利根川上流の8ダムでは流域内で必要な水量を確保するため、各地点での不足する水量をダムから補給することにより、被害を最小限に抑えることができました。
下図に示すように8月中旬では、利根川上流のダムがない場合を想定すると、河川の水量は約80m3/sまで落ち込み、水道用水などの不足により、社会経済や流域住民の生活に重大な影響を及ぼしていたものと考えられます。

 
 
 
 
 出典:利根川ダム統合管理事務所資料より作成
 

 
川の水量の確保

既得用水等の安定取水、河川管理施設の保護、地下水の維持、動植物の保護、流水の清潔の維持等、本来河川がもっているさまざまな機能を確保するため、渇水時においてもダムから流水の補給を行い、河川の正常な機能の維持と増進を図ります。

1年間の川の水量の変化とダムによる水の補給イメージ
ダムがない場合
 
ダムがある場合
 
渇水時の写真   通常時の写真
「平成6年首都圏の渇水」利根川水系渇水対策連絡協議会 「とねがわ」国土交通省関東地方整備局利根川上流工事事務所

 
環境保全の取り組み

ダム周辺環境整備事業
・藤原ダムでは、昭和58年度から平成6年度にかけて、横山・蟹掛・平出・西地区の4地区を整備しました。(→観光マップへ
・相俣ダムでは、昭和53年度から昭和62年度にかけて、ダムサイト脇下流広場・西川上流広場、赤谷川広場、3箇所を整備しました。
(→観光マップへ
・薗原ダムでは、昭和56年度から平成元年度にかけて、薗原A・B地区の2地区を整備しました。(→観光マップへ

出典:「業務のあらまし」冊子 国土交通省関東地方整備局利根川ダム統合管理事務所



ダム湖活用環境整備事業(レイクリゾート事業)
これまでに実施してきたダム周辺環境整備事業よりさらに一歩踏み込み、ダム湖の適切な管理を行いながら、ダム湖そのもののレクレーション資源としての価値を高めるとともに、河川区域以外の周辺地域における他事業と一体となって実施するものであり、リゾート開発により水源地活性化に寄与する施設を整備しています。
相俣ダムでは、ダム周辺環境整備事業に続き、昭和63年度よりこの事業に着手し、毎年、森と湖に親しむ旬間中の7月31日に、赤谷川広場においてかっぱ祭りが開催され、多くの人々が集い、親しんでいます。(→観光マップへ

出典:「業務のあらまし」冊子 国土交通省関東地方整備局利根川ダム統合管理事務所


ダム水環境整備事業
相俣ダムでは、発電取水により約8.5kmにわたって川の水量が少なくなる区間(減水区間)が生じていました。このため群馬県企業局の協力を得て、平成10年6月よりダム直下流に一定流量を放流する維持流量放設備を設置しました。その結果、清流が復活しました。

出典:「業務のあらまし」冊子 国土交通省関東地方整備局利根川ダム統合管理事務所

ダムの弾力的管理試験
ダムの弾力的管理は、洪水調節に支障を及ぼさない範囲で、洪水調節容量の一部に流水を貯留し、これを適切に放流することによりダム下流の無水区間の解消等、水環境の改善に資することを目的に行います。薗原ダムでは、弾力的管理試験に先立ち、平成9年より5年間の試験を実施してきました。この結果、洪水調節量内に180万m3を貯留し、ダム下流において清流回復が図られました。


出典:「業務のあらまし」冊子 国土交通省関東地方整備局利根川ダム統合管理事務所
 
 
詳細な情報
第11回 関東地方ダム等管理フォローアップ委員会
利根川上流ダム郡定期報告書(平成16年6月21日)
 

1.委員会資料

2.参考資料(水質)

3.参考資料(生物)

 

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