FMぐんまの 市川まどかです。この時間は、私たちの生活に深い関わりを持つ河川や道路にスポットをあててお送りしています。
きょうは、国土交通省 高崎河川国道事務所 河川管理課 管理第二係長の永留 修(ながどめ おさむ)さんにお出でいただきました。今日は水防月間についてお話を伺ってまいります。
永留さん、よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
今日は防災、特に水防に関連したお話を伺ってまいります。
ゴールデンウィークも終わり、行楽も一段落ついた時だと思いますが、梅雨時を控え、そろそろ大雨や洪水などに備えなければならない時になりましたね。
はい、いろいろな自然災害の中で、身近で時には大きな被害をもたらすものとして、水害があげられると思います。
今月、5月は水防月間になっていまして、全国各地で水防訓練や日頃の備えの点検などが行われます。
そこで今日は「水防月間」にちなみまして、「水害の発生を予防する」または「被害を最小限に食い止める」いわゆる「水防」についてお話しようと思います。
水害というものは未然に防ぐことができるものなのでしょうか。
はい、ちゃんと備えが出来ていたり、水害が発生した時に適切な対応ができれば、多くの場合、未然に防げたり、被害を少なくすることが可能です。
台風の時の映像などで、洪水が河川からあふれないように「土のう」(=袋に土を詰めたもの)を積んでいるところを、ご覧になったことがあると思います。
大雨が降ったり、川が増水したりした時は、土のうや材木・シートなどを使って、川があふれたり堤防が壊れたりしない様、迅速な対応が必要になります。
例えば、「これは無駄なことをやっているな」と思われている意見をお持ちの方が、この機会にアンケートに答えれば、今回の中期計画に反映される可能性もある、ということですか?
そうですね。アンケートでは(私どもが)効率化を徹底するために考えられる事柄を並べて、その中から大事だと思うものを3つ選択頂くようになっております。また、無駄だと思うことを自由に記載する欄も設けてあります。
迅速な対応ということですが、実際にはいざという時に自分がどう対応できるか、まったく想像がつきませんよね。
これまで経験がない人でも、今後も絶対に被害に遭わなくて済むとは、誰にもわかりません。
やはり、いざというときは経験や知識があった方がいいと思います。災害に対しては普段の備え、災害への関心を持つことが1番大切なことです。
水防の知識のあまりない方にも、まず関心を持っていただいたり、実際に災害時の対処方法などを覚えていただこうと、水防の大がかりな訓練が毎年行われています。今年は今月19日に埼玉県熊谷市の利根川で行われます。
確か、本県群馬でも何年かに1回の割合で行われていますよね。大がかりな訓練といいますと、どの様な訓練になるのでしょう。
はい、「第56回利根川水系連合水防演習」といいまして、5月19日土曜日に埼玉県熊谷市葛和田地先の、利根川右岸河川敷で開催されます。
水防に関する訓練では国内最大のもので、毎年2万人もの人が集まる訓練です。
利根川が流れる5つの県で順番に開催されていまして、群馬県ではおととし伊勢崎市で開催されました。
訓練ではどんなことが行われるのでしょう。
はい、今年は県内でも大きな被害を出しました、昭和22年のカスリーン台風から60年目の年にあたります。訓練ではまず地元水防団によるいろいろな水防工法が披露されます。
新旧の水防技術を手際よく行っている様子を、迫力一杯にみることが出来ます。
また、クレーンによる重さ1トンの「大型土のう」の設置訓練や、大型ポンプ車なども参加します。
更に、水防講習も行われまして、「土のう作り」や「積み方」などを体験できます。
「土のう」などは普通の生活の中であまり馴染みのない物ですから、「どんな風に作られていて」「扱い方はどの様にしたらいいのか」など身近に確認できるいいチャンスですね。
その通りです。
また、訓練では、自衛隊や警察、消防などの方々による救出救護訓練が行われます。
「川の中州に人が取り残された」という設定で、オフロードバイクやヘリコプター、水上バイク、それに高速ボートなどを駆使した、本番さながらの迫力ある救助活動が行われます。
土のうの様な昔ながらの水防技術から、ヘリコプターや水上バイクをつかった新しい技術も見られるわけですね。
はい、洪水などの被害を防ぐためには、新旧の水防技術の併用と関係機関との横の連携ということも、非常に重要となります。そして何よりも皆さんひとりひとりが、日頃から十分に訓練しておくことが大切です。
この訓練をみていただければ、水防の関係者が皆、地域の方々の安全と安心のために日頃から訓練し、万が一の時に備えていることが分かっていただけると思います。
この水防演習を見たい、参加したいという場合には、どの様にしたらいいのでしょう。
当日は入場無料で、どなたでもご覧になれます。また、「土のう作り」など簡単な水防工法に参加することも出来ます。ぜひご家族で、ご覧になっていただきたいと思います。
第56回利根川水系連合水防演習は5月19日土曜に開催されます。くわしくは、利根川上流河川事務所のホームページに紹介されていますのでご覧下さい。
はい、永留さん、有り難うございました。