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32.Oさんからの質問

きれいな川にする方法は?

こんにちは!質問ありがとう。

 「きれいな川にする方法」という質問ですが、皆さんが「きれいな川」と感じるのは色々な理由がありますが、大きく分けると下の2つの理由だと思います。
  @水がきれい Aゴミなどが無くきれい このような川にするためにご説明します。
 
  きれいな水にするための説明の前に何が川の水を汚しているかについてから説明させて頂きます。
  川の水を汚す原因は、自然に汚れてしまう「自然系」の汚濁と、人間が汚してしまう「人為的」の大きく2つに分類されます。
  1つ目の「自然系」というのは、枯葉や枯草、動物や昆虫のフンや死骸と言った、 野山の動植物が生きているうちに川が汚れてしまうものです。しかし、この「自然系」の汚れは川の水を汚す大きな原因ではありません。

  2つ目の「人為的」な汚濁というのは、私たち人間が生活して行く上で川を汚してしまうもので、下のような色々な原因があります。
  @生活系・・・・みなさんの家の台所、お風呂、トイレなどの汚れが原因のもの
  A事業系・・・・工場などの排水が原因のもの
  B農業系・・・・家畜のフンや農地の肥料などが原因のもの
  C面源系・・・・道路などにつもった車の排ガスなどの汚れが原因のもの
  Dその他・・・・川の中に捨てられたゴミなどが原因のもの
  これら5つの原因で川の水の汚れの9割以上を占めており、川の水を汚す原因の殆どが私たちの生活によるものです。この5つの原因の中でも「生活系」と言われる、みなさんの家の台所、お風呂、トイレなどの汚れが原因のものが川を汚す原因の約8割と言われています。

 次に「きれいな水」にするための方法ですが、川を汚す原因で説明した最も大きな原因であるみなさんの家の台所、お風呂、トイレなどの汚れを川に流さないようにすることが最も効果的な方法です。
 では、皆さんの家から汚れた水を川に流さないようにする方法ですが、国や県、市町村が行うものと、みなさんの家で行う対策があり、それぞれ次のような方法があります。
  ・国や県、市町村が行うもの
    @下水道を整備する。
    A下水道の計画が無い農村地帯などでは、農村集落集排水施設を整備する。
   
  ・みなさんの家で実施していただくもの
    @下水道や集落排水などが整備されている場合は、それらと排水をつなぐ
    A下水道や集落排水などが整備されていない場合は、合併浄化槽を設置する。
   また、毎日の生活でちょっと気を遣うだけで川に流れ込む汚れの量はぐっと減ります。
   家では普段から次のようなことに注意して下さい。
    @油汚れなどは紙で拭いてから洗う。
    Aみそ汁や麺類のつゆの残りなどを流さない。
    Bシャンプーや洗剤などを使いすぎない。
    C三角コーナーやろ紙袋などで、食品くずが流れないようにする。
    Dその他、ゴミなどは絶対に川に捨てない

 川の汚れは、自然の中で流れていくうちに川の中の生き物(バクテリア・ハミーバなどの目に見えないような小さな微生物)などによって分解されてきれいになっていきます。これを自浄作用と言います。しかし、川の中に汚れがたくさんはいると分解しきれずに、川は汚れていきます。前に説明したような対策をしても、どうしても汚れた水が川に入ってしまったり、一部の心ない人たちが川にゴミを捨てたりして、川が汚れてしまった場合は、川の水をきれいにするための施設を作ったり、川底にたまった汚い泥を掘るなどして、川の水をきれいにする方法があります。
 代表的なものに、河川浄化施設(かせんじようかしせつ)や底泥浚渫(ていでいしゅんせつ) などがあります。
 下館河川事務所が担当している鬼怒川・小貝川は水質が良く、浄化施設を設置していませんが、国土交通省では、利根川・江戸川・霞ヶ浦などに河川浄化施設を設置しています。浄化施設には次のようなものがあります。

 ・「礫間接触酸化浄化法(れきかんせっしょくさんかじょうかほう)」:直径15cmくらいの石を並べた大きな水槽の中に川の水を通して、石に自然に住み着いた生き物(微生物)によって分解(食べ)させて浄化する川の自浄作用を応用した方法です。
この近くでは、江戸川河川事務所が担当している坂川(さかがわ)の水をきれいにするために、千葉県松戸市古ヶ崎というところに「古ヶ崎浄化施設」が設置されています。
見学も可能ですので、詳しくは江戸川河川事務所のホ−ムペ−ジ
     (http://www.ktr.mlit.go.jp/edogawa/works/kankyou/jouka/jouka.html) を見て下さい。

 ・「植生浄化法」:葦(アシ又はヨシ)などの抽水植物(ちゅうすいしょくぶつ:水ぎわに生えている植物)が密集している中を水を通して、植物に汚れの原因となる「チッソ」「リン」を吸収(チッソ、リンは植物が生長するために必要な栄養素です)させて浄化する方法です。
葦以外にも、水の中の汚れの成分をすって成長する植物を植えたり、セリやクウシンサイなどの食用の野菜を水耕栽培で栽培して水をきれいにする取り組みなども行われています。
  この近くでは、霞ヶ浦河川事務所が担当している霞ヶ浦の水をきれいにするために、茨城県阿見町舟子というところに「清明川植生浄化施設」が設置されています。
 また、土浦市大岩田の土浦港では食用の野菜を水耕栽培で栽培して水をきれいにする方法の実験が行われています。
詳しくは霞ヶ浦河川事務所のホ−ムペ−ジ
      (http://www.ktr.mlit.go.jp/kasumi/hozen/syokusei.htm)  を見て下さい。

・「土壌浸透濾過法」:土や石や砂利で水を濾過して汚れを取り除く方法などがあります。

・「底泥浚渫」(ていでいしゅんせつ):川にきたないものを流した結果、「チッソ」「リン」などの汚れの原因となる物質(これを「栄養塩類」(えいようえんるい)といます。)が川底にたまってしまって、その泥から汚れの原因となる物質が溶け出して川や湖を汚している場合は、その泥を浚渫船(しゅんせつせん)という船や重機で掘って、川が汚れないようにする方法です。

 以上のように、色々なとりくみが行われていますが、川のよごれの約八割は私たちの家から流れ出た汚れが原因です。ですから、一番効果的な方法はなんといっても「私たちの家から汚いものを流さない」ことが大切です。

 ゴミのないきれいな川にするための取り組みとして、 下館河川事務所では、川をきれいにするために7月に河川全体、市町村やボランティア団体等の協力を得て「クリーン大作戦」としてゴミ拾いをします。また、河川のパトロールを実施して、不法投棄などが行われないように監視しています。
  それでも、たくさんのゴミが川の中に捨てられてしまいました。パトロールで発見して処理したゴミは昨年1年間に約2500m3(大型ダンプで約500台分)もありました。
  川にはゴミを捨てないようにパトロールをしたり、皆さんの力を借りてゴミ拾いなどを実施して、ゴミのない川になるようにしていきたいと考えています。 

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