2020年07月01日
関東地方整備局
河川部
関東地方の一級河川8水系48河川(国土交通省管理区間)において、令和元年に実施した水質調査の結果をとりまとめましたのでお知らせします。
1.【水質調査】
(1)関東地方の環境基準の満足状況
◆BOD・COD(生活環境項目)でみた水質では、77パーセントで環境基準を満足
・令和元年は、一級河川(ダム湖・湖沼を含む)で、有機汚濁の代表的な指標であるBOD値又はCOD値が環境基準を満足した調査地点は167地点中128地点で、全体の77パーセント。平成30年と比較すると減少したが、近年10ヶ年では横ばい傾向。
◆久慈川水系、那珂川水系、多摩川水系、鶴見川水系、相模川水系、富士川水系の6水系で、全地点が環境基準を満足
(2)水質の改善状況
◆過去10年間のBOD値でみた水質の改善状況は、利根川水系利根運河の「運河(合流前)」・「運河橋」、利根川水系横利根川の「八筋川」で大きく改善
・水質の改善状況に関し、過去10年間のBOD値の改善幅でみると、運河(合流前)(利根川水系利根運河)で3.9mg/L(関東1位、全国3位の改善幅)、八筋川(利根川水系横利根川)で2.3mg/L、運河橋(利根川水系利根運河)で2.0mg/Lの改善。
(3)人の健康の保護に関する環境基準の満足状況
◆健康項目(カドミウム等)でみた水質では、全地点・全項目で環境基準を満足
2.【新しい水質指標による調査】
・令和元年は、小中高生や一般市民から、延べ406人の参加を得て、協働により調査を実施。
・『人と河川の豊かなふれあいの確保』の視点においてはAランク(顔を川の水につけやすい)の地点が55地点中10地点で18パーセント、『豊かな生態系の確保』の視点においてはAランク(生物の生息・成育・繁殖環境として非常に良好)の地点が38地点中11地点で29パーセント、『利用しやすい水質の確保』の視点においてはAランク(より利用しやすい)の地点が24地点中11地点で46パーセント。
3.【水生生物による水質の簡易調査】
・令和元年は、小中高生や一般市民から延べ636人の参加を得て、8水系21河川38地点で調査を実施。
・判定内容が「I(きれいな水)」「II(ややきれいな水)」の比較的きれいであった地点は33地点、全体の約87パーセント。
4.【微量化学物質に関する調査】
・令和元年度は、水質32地点、底質29地点でダイオキシン類の調査を実施し、水質の1地点で環境基準を超過。底質はすべての地点で環境基準を満足。
・令和元年度は、水質5地点、底質2地点で内分泌かく乱化学物質等の調査を実施し、水質の2地点で重点調査濃度を超過。底質はすべての地点で重点調査濃度を下回った。
5.【水質事故の状況】
・令和元年は、管内での水質事故の通報件数は212件で、平成30年よりも31件減少。
・原因物質別では、重油・軽油等の油の流出による事故が件数全体の67パーセントを占める。
◎関東地方整備局『河川の水質』について、詳しくは関東地方整備局ホームページをご覧ください
https://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000148.html