拝啓
石原慎太郎都知事殿
突然のお手紙をお許し下さいませ。
あなた様の「太陽の季節」と「狂った果実」を青春時代、何回も読みました。
湘南の海が好きで、○○○県人と結婚するんだと心に決めていた頃でした。
あなた様が都知事になられた時、その頃を改めて想い出したものです。
私の祖父(○○○○)が病床にありながら「旋風を巻き起す学生小説家が一橋から出現したなあ」と楽しそうにつぶやいたその場面を今でも思い出します。
小説好きの中学生だった私は、さっそく読み始めた次第です。
東京でも屈指の自然いっぱいの風致地区善福寺一帯は陸の湘南と自負している私にとって、この地に青梅街道インターチェンジが出来てしまうことは悲しみとしか言いようがありません。
どうか陸の湘南、善福寺を愛する人々のためにも予定地とされている場所に隣接している区立桃井第四小学校の子供たちのためにも青梅街道インターチェンジだけは作らないで下さい。
三、一〇八名のこの署名は、あなた様にとってはわずかな数と思われるかもしれませんが、二、三人で一軒一軒歩いて集めた署名です。
その陰には数倍の住民の同じ思いの悲願があることを、お心にお留めいただければ幸いに存じます。
別紙にある思いをこめたプレートが街の至る所で祈るように掛っています。
どうか緑と自然の陸の湘南の善福寺一帯をこのままにしておいて下さいませ。
勝手な事ばかり書いてしまい失礼いたしました。
どうぞお体をお大切に増々のご健闘をお祈り申し上げます。
九月二十六日
石原慎太郎都知事殿
青梅街道インターチェンジ建設反対の会